【ご注意!】ランキング閲覧の前にお読み下さい
■ 記事作成日 2014/4/17 ■ 最終更新日 2014/11/8
当研究所では、2014年度より国内の主な医師紹介会社100社を徹底調査し、各設定調査項目においてランキング付けして毎年発表していくことといたしました。
ところがいざランキングのための調査をしてみると、求人件察結果数の表面的な水増し/空求人と捉えられてもおかしくない行為(以下「求人数水増し/空求人類似行為」と呼びます)が一部の医師紹介会社のサイトみられることに気が付きました。
求人募集は多ければ多いほど競争に有利に働く
皆様もお察しの通り、常勤、非常勤、単発アルバイトに関わらず、その医師紹介会社が保有している求人募集が多ければ多いほど、医師の登録者を増やすい条件が整うことに成ります。そのため、大部分の真面目な医師紹介会社は、日々、医療機関や製薬会社等に日参して、新たな求人募集を獲得すべく奔走しています。
ライバル企業の保有求人数を上回るべく、公私関係なく時間を営業活動に注ぎ込んでいる営業マンも、私個人も沢山しっています。しかし、そういった真面目な医師紹介会社とその営業マン達を愚弄するような「求人数水増し/空求人類似行為」が、暗黙の了解のように存在していることも事実です。
求人数水増し/空求人類似行為とは
私達がここで「求人数水増し/空求人行類似行為」と呼ぶことにしたものは、「見かけ上の保有求人募集を実際の数字よりも大きく見せる目的で、主に以下の2点を中心とした行為を医師紹介会社のサイト上で行うこと」と定義させていただきます。
- 既に募集を終了している古い求人募集を「募集終了告知なしで」サイト上で紹介する行為
- 存在確認不可の情報量の薄い非公開案件をサイト上で紹介する行為
上位2点は多くの求人数水増し/空求人類似行為の疑いがあるサイトから見られる共通点のチート行為です。もちろんその行為の先には、医師登録者の増加と売上増加を上位目的としている行動であるのは言うまでもありません。では、上位2点それぞれの詳細を見て行きましょう。
1.募集終了案件の無告知検索結果表示
転職情報やアルバイトを探しているドクターにとって、医師紹介会社に期待することは「自分が応募できる」「応募したいと思う」ニーズにマッチした求人募集のはずです。冷やかしならともかく、通常は、医師ご自身の診療科や居住エリア等に無関係な求人情報は、たとえそれがどんなに条件が良いものだとしても、一切目もくれないはずです。ドクターが転職求職に真剣であればあるほど、その傾向は増します。
ところが、それぞれの医師紹介会社には「組織力」「営業力」という有限能力があります。いくら保有求人募集を増やしたくとも、社員が少ない、予算が少ない、営業能力が心もとない…等々の理由で、思うように保有求人募集が増えていかないのが現実です。
そして悪循環は続きます。
保有求人募集が少なければ、当然、その会社に登録をしてくれるドクターも頭打ちになる。自然、その医師紹介会社は食べることにも事欠くようにジリ貧ロードへと突き進むことに成るのです。
それが嫌で嫌でたまらない医師紹介会社は、求人数の水増し/空求人類似行為に手を染め始めます。サイトの検索システムやトップページの求人数アウトプット結果を少し弄くるだけで、さも沢山の求人を保有しているようにみえるからです。意図的か、慣習的に罪悪感なしに行っているのかはわかりませんが、こういった会社が、私が思う以上に沢山ありました。
でもそれは「お客様=医師」を騙す行為ですね?
いったいこの世のどこに「募集を既に打ち切った案件」を探しているドクターがいると思いますか?
先ほど、求職中の医師は自分自身に関係のある情報以外は欲していないと書きましたが、「募集終了の過去求人」こそが、この世のどのドクターも欲していない情報なのではないでしょうか?しかも、そういった終了求人募集が、「生きている案件」の中に「募集終了の告知なし」で表示されたとしたら・・・。
そういった募集終了案件を「只今の常勤求人数はxxxxx件!」「xxxxx件の求人が見つかりました!」と言って、生きている求人募集に混ぜこぜにして、医師に紹介するのってビジネスマナー的にもどうなのでしょうか。これがお客様=医師に対する誠実な行為といえるのでしょうか?私はどうもそうは思えないのです。ただ単に医師を騙して登録に誘引しているようにしか思えません。
募集終了案件を使った水増し/空求人類似行為の例
(画像はFAドクター(株式会社ファズナ))
この行為の特徴は求人募集のスクリーニング作業(古い案件を取り除き新しい案件のみを掲載しておくこと)の有無が深く関与してきます。意図的に古い求人募集のスクリーニングをシないのか、人手不足などでできていないのかはわかりませんが、ユーザーのドクターに対しては、求人検索結果数の大小=その会社の営業力の大小と錯誤させる恐れにつながります。
このサイトを見て下さい。ファズナ株式会社が運営するFAドクターですが、全体の保有求人募集数は59,000件以上と、他の医師紹介会社が保有する求人数を圧倒的に上回る数の求人数を誇っています。一見、他社を大きく凌ぐ営業力を持つ企業であるかのごとく錯覚をいたしますが、事実はそうではありません。
この会社のサイトでは、相当ひどい求人数水増し/空求人類似行為が発見できますす(当然、当サイトの個別レビューではC評価です)。トップクラスの他の会社が5,000件程度の常勤求人数のところ、この会社だけ5万件をはるかに超して、6万件に届くほどの求人数を保有しているとサイトでは表記されますので、何かがおかしいと違和感を感じていました。
トップクラスの会社よりもはるかに零細規模な会社なのに、業界リーダーよりも10倍もの多く常勤求人募集を集めることなどできるのでしょうか?もちろん否。答えは、過去数年にわたる募集終了求人募集を、生き案件と一緒に掲載しているものだから、5万件もの常識はずれに膨大な求人募集数に膨れ上がっているだけです。
これを水増し/空求人行為と言わずになんと呼ぶのでしょうか。
2.内容不確かな非公開求人募集
同じくファズナ株式会社のFAドクターを例にとって説明いたしましょう。このサイトで求人検索をすると、後半に多数の下記画像のような案件が出てきます。これが存在不確かな非公開求人募集です。
医師紹介会社から求人検索をした際に、大量の「情報が全くわからない非公開案件」が紛れ込んでいることがあります。非公開案件なのだから情報が少ないのは当然だというのは医師紹介会社の一方的な言い分であって、ドクターとしては、今眼の前に有るサイトから今すぐに見ることができる求人(公開案件)を閲覧したいから検索をしているわけです。
それなのに「非公開案件=個人情報を晒して登録しないと見れませんよ」という求人検索アウトプットが大量に出て来るのならば、これはドクターのニーズとは全く異なる事になります。それどころか、通常の公開求人募集数の中に多数の非公開求人募集をまぎれこませることによって、全体の求人総数を大幅に水増し/空求人しているとしたら・・・当研究所としてはこれは看過できない問題です。
なぜ「類似」行為なのか
そもそも、水増し/空求人とはこのような意味で定義されています。
みず‐まし〔みづ‐〕【水増し/空求人】
[名](スル)
1 水を加えて分量をふやすこと。「―して徳利の数を増やす」
2 見かけの数や量をふやすこと。「定員を―して経費を計上する」「―予算」
提供元:「デジタル大辞泉」
最初は気にもとめなかったことなのですが、多数の医師紹介会社の検索システムを調査して求人募集を一つ一つ見ていくうちに、どうしても「例え、『見かけ』だけでも保有求人総数を増やしたい」という企業側の意図が、否が応でも目についてきてしまったのです。
真実を確認することは難しい…だから「類似」行為
もちろん、今回、指摘している「求人数水増し/空求人類似行為」については、その疑わしき会社1つ1つの求人募集についてを「本当に意図的に水増し/空求人をしたのかどうか」を確認調査することは外部の私達には不可能です。どんなに疑わしくとも、「コレは本当に存在する求人募集なんですよ」「募集が切れているように見えてもまだエントリーできるのですよ」と言われると、グウの音もでません。
ならば「水増し/空求人行為」と断定するのではなく、「水増し/空求人類似行為」と呼ぶことで、疑わしさが存在する状態ということを、医師の皆様に知っていただこうと考えました。求人数に水増し/空求人がある「可能性」について言及しているにすぎません。
疑わしきに対してはシビアな姿勢で
しかしながら、例え断定的な調査結果をだすことができずとも、当研究所は医師紹介会社ではなく、医師の皆様の顔の方をを見て作っているサイトです。皆様にとって不便なこと、紛らわしいこと、疑わしいこと、騙されたと思わざるをえないようなことに対して、見て見ぬふりのような真似をせずに、徹底的に厳しいレビュー評価で臨む方針でいます。
具体的には、「募集終了案件の無告知掲載」、「疑わしい非公開案件」のどちらか一方、もしくは、両方が求人検索結果に現れた場合、ランキングからの削除や個別レビューページでの低評価という形で、医師の皆様に注意を喚起していきます。
具体的にどうやって水増し/空求人類似を避けるのか
これは医師紹介会社の方に申し上げたいのですが、ここで厳しく指摘した2点を簡単に回避する方法がありますので、是非、登録希望のドクターのためにも採用してほしいと願っています。
求人情報の鮮度スクリーニングは手間が折れる作業だと思います。しかし、せめて求人情報を最初に掲載した日、内容を更新した日、そして、現状の応募可否をはっきりと記しておくことです。
「とりあえず過去の案件も消さないで掲げておけばマヌケなドクターが釣れるだろう」などと考えている会社は問題外です。場末の不動産屋でもイマドキそんな幼稚な手法はとりません。
結局はそれが誠実な企業の態度と映り、ドクターの登録応募を促すでしょう。ドクター達はリアルに生きている求人募集のみを知りたいのです。
更に理想的なのが、募集終了した過去の求人募集は全てデータベースから削除して日々スクリーニングをし、求人検索をかけた際にそれらが表示されないように務めることがベストの対応なのは言うまでもありません。
本音を言えば、非公開案件なんて本当にあるかないかすら外部の誰にもわからないわけです。でもせめて、現状の非公開案件の保有数をはっきりと明記することで、検索結果上の非公開求人が本物なのかそうでないのかを理解するヒントになります。
また、非公開案件と公開案件をはっきり検索システム上で分離してアウトプットすべきでしょう。まずは公開求人募集を閲覧しようと思って、求人検索を行うドクターは多数いると思いますが、跳ね返ってくる検索結果が、直ぐに利用できる公開案件に加えて、ひっそりと混合されたように、内容不確かな非公開案件が混じっているような状況では、逆に登録から遠ざかる結果になるのは間違いないです。
要は誠実さの問題です。
他にも怪しい形跡が発見できます
細かいことを言うと、他にもおかしな医師紹介会社のサイトがあります。例えばこのような不審な点を持つサイトを幾つか私は発見いたしました。
- 週間もの間、保有求人数の総数が全く変化しない
- 「日本最大級」と謳いながら、極端に少ない求人検索数
→「医師のためのジョブバンク(株式会社メディカル・ワーク・デザイン)」
- 検索絞込条件と無関係のアウトプットが出てくる(産業医で検索したのに他の案件も多数出てくる、「歯科医師」の求人が紛れ込んで出てくる、等)
→「メディカルジョブ北海道(株式会社キャリア・フォース)」
- サイトトップページで景気良く宣言している求人数と実際の求人検索アウトプットの差が甚大
→「ドクタースクェア(株式会社ユニヴ)」
まさに枚挙が暇ありません。これら個別のケースについては今後、各企業のレビュー記事でも詳しく取り扱っていきますので、医師の皆様はぜひご注意下さい。
長くなりましたが、こういった求人数水増し/空求人類似行為の問題点をしっかりと知って頂いてから、当サイトの医師紹介会社ランキング調査、個別会社レビューをお楽しみ下さい。医師の皆様のキャリアアップ成功、年収アップ成功、ワークライフバランスおよびQOL向上こそが、当研究所発表の情報開示目的です。
この記事を書いた人
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