総評:FAドクター/QQドクター(QQドクター株式会社 【旧:ファズナ株式会社】)
■ 記事作成日 2013/7/30 ■ 最終更新日 2016/6/6
現在の企業レビュー結果…「C評価」
総評:悪名高き偽医者事件を引き起こした会社
※画像はNHKオンラインより引用
2012年に発覚した東京都板橋区高島平中央病院を舞台にしたニセ医者事件。当研究所のサイトでもその詳細については記事にさせて頂きました。世間を騒がせた偽医者事件の犯人である黒木雅(みやび)容疑者(43)を高島平中央病院に紹介した会社こそ、ファズナ株式会社(現在はQQドクター株式会社という別法人を立ち上げ、元監査役を社長にして運営中)に他なりません。
黒木容疑者は偽造した医師免許と保険証を提出の上、2009年から2011年に渡って、医師として高島平中央病院に勤務していました。
2012年発覚 医師なりすまし男逮捕…病院事務3か月経験のみ
東京都板橋区の高島平中央総合病院で医師になりすました男が区民健康診断をしていた問題で、警視庁と長野県警の合同捜査本部は24日、世田谷区中町、自称医師、黒木雅(みやび)容疑者(43)を詐欺や医師法違反(医師の名称使用制限)などの疑いで逮捕した。黒木容疑者は健康診断などの医療行為のほか、長野県内の医療機関でも健診をしていた疑いが持たれており、同庁などで捜査を進めている。
発表によると、黒木容疑者は09年6月、都内の人材紹介派遣会社に「黒木良太」の偽名で登録し、「山梨医科大医学部卒」とウソをつき、偽の医師免許のコピーを提出。同社の紹介で10年6月~11年11月、高島平中央総合病院に非常勤医師として勤務し、区民の健康診断を行い、病院から報酬計約260万円をだまし取った疑い。
黒木容疑者は山口大教育学部を中退後、横浜市内の病院の事務を3か月間していたが、医師や看護師の国家資格は持っていなかった。調べに対して容疑を認め、「生活費にあてたかった。健康診断ぐらいならできると思った」と供述しているという。
(引用元:Yomiuri Online)
当研究所では、この事件に関して関与をした他の医師紹介会社及び株式会社ファズナについて調査を行ってきましたが、偽医者の紹介業務に株式会社ファズナが関与したことが複数の情報提供元から明らかになったため、同社をC評価とさせて頂き、医師の皆様に注意を促す次第です。
※当研究所では、偽医者紹介事件に関与し、且つ、その後も医師本人確認業務について是正が見られない企業については一律C評価とさせて頂いております。
実態は「ファズナ株式会社→QQドクター株式会社」に看板を変えただけ
一見、求人数は59075件と非常に多く見えるが、実際は、非公開や匿名案件が多く、登録情報検証の難しさから、客観的な情報の信憑性に欠けています。 転職相談やQ&Aは、2010年から更新されていないことからも、掲載情報については、非常に信憑性が欠けて、不安を覚えてしまいます。
メディア等への宣伝広告が先行している様子ですが、社員は6名と非常に少なく、非常に不安を覚えます。その為、こちらの医師紹介会社への登録は、あまりオススメしません。キャリアを積まれたい医師や初めて転職をされる医師は、AAA評価以上のサイトを活用することを推奨します。
※【追記】
2014年夏頃からファズナ株式会社のウェブサイトが消滅し、FAドクターは「QQドクター株式会社」という医師紹介会社の管理下に入っています。「QQドクター株式会社」の代表取締役である齋藤 浩太郎氏は、ファズナ株式会社の監査役であり、ファズナ株式会社代表取締役である斎藤隆介氏の親族である可能性が非常に高いです。
更に、ファズナ株式会社の有料職業紹介事業の許可・届出受理番号は「13-ユ-305614」ですが、QQドクター株式会社においても同番号の「13-ユ-305614」を届出番号として掲載しています。
従って、QQドクター株式会社はニセ医者紹介事件を起したファズナ株式会社のマイナスイメージを消すために作られた、親族経営の営業譲渡先会社で間違いないでしょう。実質的な会社オーナーも斎藤隆介氏のままである可能性も高いでしょう。
=QQドクター社長の斎藤浩太郎氏はファズナの元監査役=
つまり、「QQドクター株式会社=ファズナ株式会社」と実質的に考えられます。これは笑ってしまうのですが、なんと両社はフリーダイヤル番号(0120-97-8499)まで一緒です。
加えて、QQドクター株式会社が(ファズナ株式会社のものである)有料職業紹介事業の許可・届出受理番号をそのまま使用しているということは、無許可で職業紹介事業を行っていることにほかなりません。これは大きな問題ではないでしょうか?
有料職業紹介事業の許可・届出受理番号については、厚生労働省職業安定局の人材サービス総合サイトより、登録事業者の詳細を調べることができます。
http://www.jinzai-sougou.go.jp/srv120.aspx" alt="http://www.jinzai-sougou.go.jp/srv120.aspx" width="350" height="300" />
=職業紹介事業:人材サービス総合サイト=
=「13-ユ-305614」はファズナ株式会社の番号で登録されている=
=QQドクターの会社概要には同番号が!無許可紹介?=
会社概要:ファズナ株式会社
医師紹介会社名 |
ファズナ株式会社 |
---|---|
サービス名 |
FAドクター |
設立 |
2003年9月 |
代表者 |
代表取締役社長 斎藤隆介 |
資本金 |
2800万円 |
年商 |
2億円 |
従業員数 |
6名 |
コンサルタント数 |
非公開 |
所在地 |
〒107-0052東京都港区赤坂2-18-1 赤坂ヒルサイドビル3F |
連絡先 |
0120-97-8499 |
営業拠点 |
2支店 |
厚生大臣認可 |
13-ユ-305614 |
医師会員数 |
非公開 |
会社概要:QQドクター株式会社
医師紹介会社名 |
QQドクター株式会社 |
---|---|
サービス名 |
FAドクター、QQドクター |
設立 |
2014年5月 |
代表者 |
代表取締役社長 斎藤浩太郎 |
資本金 |
500万円 |
年商 |
非公開 |
従業員数 |
非公開 |
コンサルタント数 |
非公開 |
所在地 |
〒107-0052 東京都港区赤坂2-20-19 スガイビル2F-B F |
連絡先 |
0120-97-8499(※ファズナ株式会社と同じ番号) |
営業拠点 |
東京 |
厚生大臣認可 |
13-ユ-305614(※ファズナ株式会社の登録番号) |
医師会員数 |
非公開 |
商業登記簿謄本(画像クリックで拡大)
=ファズナ株式会社 商業登記簿謄本=
=QQドクター株式会社 商業登記簿謄本=
商業登記簿謄本の公開について
商業登記簿謄本は、申請すれば全ての国民が閲覧することができるものであり、インターネット上に公開することに違法性がないことを、法務局・弁護士に確認済みです。ただし代表取締役の住所につきましては、プライバシー保護の観点から、自主的に非公開としています。
業績は悪化中で業務の質に影響多大
業界内外ではFAドクターの売上が大変落ち込んでいると話題になっています。一時は経営危機まで追い込まれていたことは疑いようがありません(※【2015年3月12日追記】:ファズナ株式会社自体は休業、廃業の可能性が高い。看板をQQドクター株式会社に挿げ替えて運営中)。
社長が外部のコンサルタントにベッタリ惚れ込んで業績回復に取り組んでいるものの、その成果は全く現れず、逆に無理なプレッシャーを押し付けることで社内士気を圧迫してしまい、業績の回復には至っていない様子です(ただし、FAドクターは売上を積極的に公開していないため(直近2期分のみは公開されております)、元従業員の方などへヒアリングした私の所感の域をでておりません。どなたか同社の正確な売上推移などをご存知の方がおりましたら、是非、当サイト管理人野村までご連絡下さい。
悪化する業績を反映してか、転職コンサルタントの給与水準は業界水準と比較してもかなり低く、若手よりは(悪い意味で)業界をあちこち転職してきた年配のベテランコンサルタントのみが社内に残っている状況です。
業績悪化の原因全てを特定することは難しいのですが、基本的にはトップの放漫経営により倒産寸前まで追い込まれたとする見方が強いです。放漫経営の様子は下記動画にて社長本人の弁が確認できますので、登録をお考えの方はまず立ち止まってこの医師紹介会社の実態を冷静に眺めてみるほうが良いと思われます。
FAドクターの社内体質は「長時間働けば結果が出るの体育会系」で、トップがそのような考え方に染まっている模様。社長が惚れ込んでいるコンサルタントの影響が色濃くでています。
そういった根性論的体育会系要素の強い社内体質の反面、工夫やアイデアで業務効率化していくような利口さがないとの声が聞こえてきます。
よって、(大凡想像はできますが・・・)医師への支援体制は個人プレーが中心となります。組織的なバックアップなどは土台無理な要求ですので全く期待できません。
加えて、コンサルタントの能力標準化を図る施策が他の医師紹介会社と比較してほとんどとられていないので、悪い担当者にあたってしまったらそれっきりとなります。ただ、そもそも社内のコンサルタントの人数も極端に少なく、その上、良質な担当者がどんどん社外へと逃げ出してしまっている状況ですので、担当のコンサルタントを選ぶということ自体が物理的にできない状況です。
売上/利益推移
FAドクターは売上と利益を2期分公開しています。売上利益共に減少していますが、もう少し長期的な売上推移を調査したいところです(全てが公開されているわけではないので正確な事が言えません)。それでも、全体的な売上も他社と比べては低い水準であると言わざるを得ませんが、利益率がかなり向上している点は評価できるでしょう。
売上高(H24) | 利益高(H24) | 売上高(H23) | 利益高(H23) |
---|---|---|---|
200百万円 |
30,000千円 |
240百万円 |
4,000千円 |
この会社の医師紹介サービスに関する所感
人材紹介を行うというよりも、代理人転職制度を導入しており、医師の代わりに病院を探し、交渉を行うことを主要事業としています。
ただし、社内人材は医療業界未経験者も多い為に、全て一任することは、非常に不安を覚えてしまいます。
美容外科?美容皮膚科への転職サポートを行っていることから、美容クリニックへの転職を希望される医師に限っては、利用をしてみても良いかもしれません。しかし、前述の理由で基本的には求人募集の信憑性に欠けることから、単発での登録はオススメしません。
入社条件に「顧客名簿を持ってこい!」?
会社の社風は、会議や売上などのノルマが無い為に、非常にゆるい雰囲気の会社と言われます。基本的には、中途採用のみを中心に行っている為、社会人経験が無い新人は少ないですね(そもそも、企業規模からみても新入社員そのものが多くないはずです)。
元社員の方の話によると、転職する際には、元所属していた同業他社から顧客医師リストを持参して来るように言われたという証言もあり、非常に情報管理については、不安を覚えます。また、医師へのサポートは全て個人の力量に任せられている為、担当者のレベルでアウトプットの質に大きく差が出るようです。
コンサルタントの能力は社内教育などで標準化はされておらず、良質な担当者は他社へ流失している為に、高水準スキルを有するコンサルタントと巡り会える可能性はほとんど期待が出来ないでしょう。
社員の退社に歯止めがかからない
社長自ら認めているように、FAドクターを運営するファズナ株式会社からの社員退出には歯止めがかかっていない様子です。
人材流出には業績悪化からくる将来的な不安要素が大きいのはもちろん、会社の劇的な事業展開についていけなくなったため、社員が減って業務負担が多くなったため、給与そのものが上がらないため、サービス残業が多いため、早朝出勤が多いため、部課長が必要以上に厳しく社員にあたるため、社員の将来のビジョンが見れないため、などという声が、元社員の実際の口からでています。
大半がトップに嫌気をさして辞めていくとの声は根強く、新たに優秀な人材を雇い入れるのも難しい状況に陥っているのがよくわかります。
極端に多い常勤求人情報数に疑問がわく
医師求人数(2013年11月7日調査)
常勤医師 | 非常勤医師 | アルバイト(単発) |
---|---|---|
59705件 | 0件 | 0件 |
※キャリアコンサルタント保有求人と病医院直接応募求人を足した合計数
医師紹介会社業界のトップランナーであるM3キャリアですら、常勤求人の登録数は6000件程度です。しかし、FAドクターでは異常と言えるまでの60,000件近くの常勤求人登録数を公開しています。何故でしょうか?同社の組織規模から考えてもなにかがおかしい臭いがします。
結論から言うと、FAドクターの極端に多い求人数には、非公開や匿名案件が多く含まれ、また古い医師求人情報が削除されていないという看過できない事実が有ります。このために極端なまでに数が多い求人数を表向きには出すことができている、と私は判断しています。
また、2010年から転職相談情報は更新されていないことからも、ウェブサイト上の情報信憑性には、非常に欠けると言わざるを得ません。
ただあえて言うならば、先程も触れたように、美容外科?美容皮膚科や精神科の求人が比較的多い為、これらの分野へ転職を希望されたい医師の方は、登録を検討されるのも良いかと思われます。ただやはり個人的な感想としては、FAドクター単独での利用登録はあまりおすすめできないでしょう。
FAドクター:企業トップの実像
代表取締役社長 斎藤隆介氏
FAドクター(ファズナ株式会社)代表取締役社長である斎藤隆介氏の詳細プロフィールは下記になります。
プロフィール
代表取締役社長 斎藤隆介氏 en-japanより引用
大学卒業後、証券会社に営業として入社。入社2年目でMVPを獲得するなど、トップセールスとして活躍。その後、自分の可能性を試すため、独立を決意。03年にファズナ株式会社を設立。建材中心の商社としてスタートをきったが、仕事を通じて出会った人々と交流を重ねる中、日本医療の現状を変えたいと思うようになる。当時、珍しかった看護師の人材サービスをスタート。今では医師の紹介・派遣にも着手するなど、順調に事業を拡大。5年後の上場を目指し、奮闘中。1日1冊は、本を読むほどの読書家。
この企業の100社ランキング結果
当研究所が独自で毎年調査している「日本の医師紹介会社TOP100社ランキング調査」において、ファズナ株式会社提供の「FAドクター」はトップ3ランキング入りできたでのしょうか?結果はこのようになっております。
=該当なし=
残念ながら、「FAドクター」のトップランキング入りはどの分野でもありませんでした(※その理由はこちら)。また、その他項目を含めたランキング結果一覧は下記のようになっております。
ランキング圏外(不明) | |
ランキング圏外(不明) | |
ランキング圏外(不明) | |
ランキング圏外(不明) | |
ランキング圏外(不明) | |
ランキング圏外(不明) | |
ランキング圏外(不明) | |
ランキング圏外(不明) | |
ランキング圏外(不明) | |
ランキング圏外(不明) | |
ランキング圏外(不明) | |
ランキング圏外(不明) | |
ランキング圏外(不明) | |
ランキング圏外(不明) | |
ランキング圏外(不明) | |
ランキング圏外(不明) | |
ランキング圏外(不明) | |
ランキング圏外(不明) | |
ランキング圏外(不明) | |
ランキング圏外(不明) | |
ランキング圏外(不明) | |
ランキング圏外(不明) | |
ランキング圏外(不明) | |
ランキング圏外(不明) |
=検索件数集計の注意事項=
- アクティブ求人数不明…これらの理由でランキング対象として集計できない
- 検索不可…条件自体がこの検索できない
- 0件…検索はできるが結果が0件
- ○○検索結果に含まれる…検索結果が別条件設定に含まれて表示されている
- 不明…サイト上に結果表示が存在せず
最終評価判定:登録する価値はないC評価
美容整形?美容皮膚科の情報が多いものの情報の信憑性に欠けるFAドクターの医師紹介サービスは、C評価であると私は判定いたします。実質、評価Bのような平均点クラスの医師紹介会社と比べても、相当見劣りしてしまう状況です。
キャリアを求めて転職を考える医師の方や初めての常勤転職を考えている医師の方は、AAA評価もしくはAA評価を中心とした他の紹介会社を優先登録されることをオススメいたします。
また、余計な話かもしれませんが…元社員の方によると「この企業は女性の労働環境を向上させるための取り組みは全くしていない。いや、まったくする気がないといった方が良いだろう」という声が聞こえてきます。こういった女性に対する考え方ひとつをとっても、外から見れば色々とひっかかるものがありますね。
それでもFAドクターにどうしてもご登録する!という医師の方は下記からどうぞ。
そこまで言うのでしたらこれ以上とめません(でも、せめてAAA評価の会社は登録してからのほうがいいですよ。老婆心ながら…)。
【登録前にお読み下さい】
この会社の登録者の多数は、こちらの会社を同時登録することで優良求人を複数獲得する確率が大幅に向上することが当研究所の調査結果でわかっています。
何故、3社同時登録で優良求人が見つかるのか?
エムスリーキャリアエージェント |
医師転職ドットコム |
【評価C(低評価)】の医師紹介会社
医師転職支援コンサルタント・野村龍一のアドバイス
「率直に言って、出来れば転職やアルバイトの際に登録することは避けていただくほうが無難と思われる医師紹介会社です。理由は様々ですが、医師が求める理想的な求人情報に結びつかない可能性が多分に予想されます。賢い医師には不要な会社です」
この記事を書いた人
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