転職の面談(面接)の際の服装を教えて下さい
■ 記事作成日 2015/10/5 ■ 最終更新日 2015/10/5
近々、医師紹介会社に提案された医療機関にて面談(面接)を行います。先方は私の住んでいる地域では中堅の民間病院(200床)です、理事長、院長、事務長の誰が面談に対応するかまではまだわかりません。面談は夕刻からで、スケジュールの関係上、現在勤務先の業務を終えてから、その足で面談に出向くことになりそうなのですが、服装をスーツに着替える時間が取れない可能性もあります。転職面談の際、服装というのは合否に直結してくるものなのでしょうか?教えて下さい。
お問合せありがとうございます。
結論から申し上げると、「(男女とも)スーツのほうが望ましいが、事情によっては必ずしもその限りではない」というのが回答になります。
医師とはいえども、雇用主(医療機関)サイドが知りたい情報は、先生のご専門、ご経歴や手技等技術、資格、出身大学だけではありません。該当医療機関の「職員(=一般社会人)」として、常識を持ち合わせているかどうかという視点は、近年ことさら重要視されるようになっていると感じます。
もちろん、「常識ある低レベル医師(失礼!)」と「常識ない高レベル医師」ならば、後者のほうが結果的に優遇されることが多いのも事実なのですが、それでも社会的に糾弾される可能性のある問題を起こしそうな人物を積極的に雇い入れる医療機関はほとんどありません。ここで私共が申し上げているのは、「最低限の常識を持ち合わせる」という程度のことでして、ことさら完璧な立ち居振る舞いを欲しているのではないことにご注意ください。
さて、その「最低限の常識」を鑑みた上で、医療機関と先生双方の未来にとって非常に重要となるフォーマルな面会(面接)の際に、あまりにラフすぎる私服で伺うことは、やはりできるかぎり避けるべきでしょう。サラリーマンの転職面接ならば誰もが知っていることではありますが、医師というハイクラス資格ホルダーの転職になると、ついうっかり「医師だから許されるだろう」といった、根拠の無い理由をご自身で創りあげてしまいがちなので注意です。
転職面接をする側の心理をひとつお教えしましょう。
慢性的な医師不足だったり、新たに新設した診療科対策だったりと、医療機関によって求人を行う背景理由は様々ですが、多くの医療機関の方々が一様に口にするのは「最後は印象で採用を決定する」という点です。つまり、案外、医療機関は論理より感情で採用を決定しているのです。
これはとても大事なポイントです。これを知っている医師ならば、「最低限持ち合わせる常識」に照らし合わせて、相手が不快に思わない服装を身につけて面談に臨むほうが、ただ単に得策であることが理解できるでしょう。
「面接と服装は関係ない」等々、先生にも色々とご意見がおありかもしれませんが、ここはまあ先手をとって折れましょう。だってそのほうが得策なのですから。
そして、ご質問頂いた先生は「診療都合で時間がないのため私服にならざるをえない」とのことでした。
その場合はそれで全く問題無いです。医師紹介会社を使用しての転職ならば、事前に担当エージェントを通じてその旨を面談先に伝えていただくべきでしょう。それによって、「非常に細かい(常識)にも気を配る丁寧な先生だ」、「日常の診療を疎かにしない責任感ある先生だ」というイメージ(感情)を先方が抱いてくれるかもしれませんよ。
繰り返しますが、結論は
「面談はできるだけスーツで臨み、相手の感情を不必要な部分で刺激しない。ただし、事情により私服で訪問することになるならば、事前にその旨を伝えておくと好印象」
ということになりますね。
ただし、「意図的に好印象を残すために、本当は暇だけど私服で行こう…」なんていう小細工は不要ですよ。もちろん、そんなことをする先生はいらっしゃらないとは思いますが。。。ご参考まで。
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