【AAA企業に聞く】 株式会社メディウェル

特集:「医局を辞める辞めない?その決断と紹介会社の支援」 =医師転職ドットコム現場コンサルインタビューNo.2=

■作成日 2015/3/10 ■更新日 2018/4/20

 

あの医師紹介会社はなぜAAA評価なのか?単純な求人数ランキングに現れない、血が通った医師転職現場を担うキャリアコンサルタン々の声を直接聞くことで、外からわからなかった医師転職支援の生の姿がわかります。AAA評価企業のみに絞った特別インタビュー企画、今回は医師転職ドットコムを運営する株式会社メディウェルに再度お邪魔し、現役キャリアコンサルタントの松井佑樹さん(東京オフィス)に、医師転職支援の現場についてお話を伺ってきました。2回シリーズの第2回(最終回)です。

 

※株式会社メディウェルへの初回インタビューはこちらからご覧になれます

 

【Vol.1】:年収アップ率146.6%達成の秘密とは?
【Vol.2】:医局を辞める辞めない?その決断と紹介会社の支援


第二回 株式会社メディウェル インタビュー Vol.2

特集:「医局を辞める辞めない?その決断と紹介会社の支援」 =医師転職ドットコム現場コンサルインタビューNo.2=

 

動画視聴はこちらをクリックして下さい

 

 

 

第二回目となったメディウェルさんインタビュー続編です。コンサルタント松井さん個人に関する質問なども絡めながら再開いたします。


 

 

引き続き宜しくお願いいたします。


 

 

医局を辞める?辞めない?どちらがただしいのか

 

 

―― 松井さんは医師紹介会社業界に入る以前、どういったお仕事をされていたのですか?

 

私自身は健康食品の営業とマネジメントを行っていました。人に関わる仕事が好きだったので、メディウェルの面接を受けさせてもらったんですけれども、その面接で会った事業部長が医師の人生に関わることの魅力を伝えてくれたことが、医師紹介会社業界に入るきっかけになっています。その事業部長が教えてくれた言葉が、

 

「ドクターの人生に関わるためには、自らの人生もしっかりしなければならない」

 

ということ。納得いく転職を提供するためには、まず自分自身が納得いく転職をしなければならない、まずはそこからだという話をされました。それにグッと来まして、この人の下なら働きたいなあとすごく思ったというのがありますね。

 

まず間違いないのは、僕自身が納得いく転職ができたので、先生にも同じものを提供することができるということです。

 

だからこそ、転職をされる先生の気持ちもわかりますし、苦しみもわかります。それを解消するために、一緒にやりませんか?一緒に考えていきましょう!というところからスタートができるので。

 

 

―― 松井さんが医師転職コンサルタントとして、普段の業務で最も気を使っている点などを教えて下さい。

 

やっぱり仕事しはじめの時は、医局という組織がここまでのものとは思っていませんでした。テレビとかドラマでは知っていたんですけれども、ここまでナーバスなものとは思っていなかった。

 

だから(医局にまつわる)情報の管理というものは特に気をつけるようにしています。

 

社内的にもこの点はきっちり管理させて頂いておりまして、これが外部に漏れてしまうと筋が変わってしまうので、先生にとっては不幸なことになってしまいますし、それは避ける必要があります。

 

 

―― なるほど。では御社が登録医師から預かった個人情報のセキュリティ体制はどうなっておりますか?

 

弊社はプライバシーマークを取得しております。

 

何よりも(個人情報保護に対する)今の医師が持っている気持ちがわかりますので、転職という重要なフェーズにおける(医局等含めた)情報…いま転職活動を進めながら、現職場に留まっているというのは先生ご自身もどこかで申し訳無いという気持をお持ちになりながらの平常業務となります。

 

その先生の気持ちがわかると、やっぱり僕らも「信用した上で頂いてる医師個人情報というのは外に出す訳にはいかない」というのが、基本的にあります。

 

それに加えてプライバシーマークがあるので、情報セキュリティ対策万全の中で、弊社は先生からご指名を頂いております。

 

 

―― 松井さんが医療機関の現場に足を運んだ際に、必ずチェックをしているポイントなどはありますか?

 

病院における先生の待機場所(医局)、先生が集まるような休憩場所がどのように運営をされているかといったのも見たいなと思いますし、当直室がどんな部屋なのかなとか。

 

そこが例えば、乱雑だったりだとか、医局も汚かったりすると「うーん・・」というところはあります。こういった部分は求人票には載り得ないかなあと思いますので、そこをポイントとしては見ていきます。

 

後、私が個人的にみるのは、先方医療機関の「採用に対する熱量」というものを大事にしています。

 

「熱量」というは、弊社の紹介するドクターに関する話をどのように聞いて頂けるか。というのは、入職後のイメージにつながることだと思っていてですね、「この先生にはこうやって働いてもらおう」「この先生にはこういうことをしてもらおう」と言えるかどうかって、すごく重要だと思っていますね。

 

医師を充足させたいと言っている医療機関に、いざ弊社登録の医師をお連れした際、どういった受け入れをして頂けるのかというのは非常に重要だと思うんですね。

 

(医療機関の対応が)「ああ、そうなんだ、じゃあ連れてきて」みたいな感じに言われてしまうと、ううん。。というところがありますので、その「熱量」というものは、私は必ず見ています。

 

 

―― 実際にその「熱量」が低い医療機関もあるかと思います。そういった場合はどのように対応されているのでしょうか?

 

そのまま(熱量が低いという)事実を伝えますね。とはいえ、先生にメリットがあり希望に近い医療機関の場合もあります。その場合でもやはり正直に感じたことをお伝えしておりますね。

 

メディウェルではメリットだけでなくデメリットもきちんとお伝えさせていただくということを大事にしています。そしてそれが、おそらく(医師から)信頼を頂いている1つの要素になっているんではないかと思っております。

 

 

―― 医師にデメリットを伝えるのは勇気もいるし、社内的にもマイナスになるのではないですか?

 

そうですね、ただし先生の人生にはマイナスにならないと思っています。

 

 

―― 医師との最初の面談で必ず質問することはなんですか?

 

僕が大事にしているのは、現職場と希望転職先のイメージ(差)というのは大事にしています。

 

前回もお伝えしましたが、先生のお抱えになっている問題の解決方法が転職なのかどうかというのを、お会いした時にまず確認しなければなりません。

 

もちろん、先生はそれ(転職)を求めて来ているので「いや、転職しなくていいです」という言い方はしないですけれども、1つの選択肢として転職をしないということも重要だと思います。

 

先生のお話を伺うと、現職場も相場的に悪い状態ではないんじゃないかと感じることもあります、僕たちは相場をよく知っていますのでね。

 

ただ、こういった要素を持っている医療機関があるのでみてみませんか?として、その結果転職をしないというのも1つの選択肢ですよということを提示させて頂いた上でです。ですから今先生がどういう職場で働いているか、どう思っているか、そこは大事にしていますね。

 

 

―― 医師から無理な転職条件などのオーダーがあるときも場合によってはありそうですが?

 

ありますね(笑)。そういう場合は「それは無理ですよ」と申し上げます。ただ、根拠が無いと言えないので、その先生のオーダーが本当に無理なのか、それとも可能な要素があるのかどうかを吟味して、受け入れた私達がどう動くかというのが大事だと思います。

 

 

―― 登録していただいた医師を「逃さない」ように、無理なオーダーを受けてもなんやかんやでごまかしつつ引っ張る医師紹介会社があると聞きます。

 

引っ張るのはおかしいですよね。スケジュールを決めて、その先生の希望に近い医療機関がこれだけありますよと。それが10なのか100なのか。それをこの現実的なスケジュールであたって確認させていただきますと告げさせて頂き、実際に動きます。

 

その結果「残念ですがご希望はかないませんでした」ならば、先生も受け入れやすいのかなと思うんですけれども、実際に支援活動をおこなってもいないのに先生を振り回しても仕方ないので、弊社はその点しっかり抑えているんではないかと思います。

 

 

―― 松井さんが個人的に思い入れの深い、過去の医師転職支援事例を教えて下さい

 

今回は医局の話をしているので、その例を1つ。30代男性精神科の先生のお話なのですけれども、本当に医局をでるのが初めてでした。

 

転職も初めてだったので、全くどうしていいかわからないし、今の環境では続けていくことができないご家庭の事情がありました。そこで、その環境やご家族の件・・・ご両親に関することだったのですが、それらを全て伺って、対応方法を密にやりとりしました。

 

医局にどうやって辞職を伝えればいいのかというのもね、あの瞬間はなんと言うかプロデュースじゃないのですけれども、そういった関係を築くことができました。

 

スケジュールも、何ヶ月後までにはこういうことをしましょうというようなことを密に行いましたし、医局を出るというのはこれだけ大変なんだなあ・・・と同時に私も思いました。

 

今もその先生からはご連絡を頂いたり年賀状を頂くような関係なのですが、それ(医局の退局)が達成された時には本当に感謝されていた実感がありますし、私としてもすごく成長させていただいたと思います。

 

先生のご家族ともお話をさせて頂いて、弊社が掲げている「密着軸」というものに関しては、こう寄り添ってやり遂げられたかなあと思っています。

 

転職は医師自身もそれぞれの医局の状況を理解して進めますが、それでも先生個人の人生を納得させていくためには、どのようなタイミングでどのような伝え方をすればいいのかっていうのは・・・悩んでいる先生はやっぱり多いんじゃないかと思いますね。

 

 

―― 一般的に医局を退職するのに必要な時間は?

 

やっぱり1年以上というケースは多いと…医局を出ないなと思ってから実際に動くまで時間があるかとおもいますが。出たいなとおもってから1年以上というのは一般的だと言えますね。

 

 

―― 医局を出ようと決断した際、医師がまず最初にしなければいけないことは?

 

自分が医局を出た後で、引き受ける先(次の転職先)があるかどうかというのをまず知っていただきたいです。

 

医局を飛び出すことはできるけれども、その先にドクターとしてどういうような人生があるかどうかが見えないと意味が無いので、そこは僕らが医療機関に先生の状況などを伝えさせて頂いた後、「先生を受け入れてくれるところは沢山ありますから安心してください」というところから始めていきます。

 

 

―― 今現在、医局と揉めずに退局をしたいとお考えの医師へアドバイスをしていただけませんか?

 

私の知っている波風の話ですと、5年をかけて退職をするという先生もいらっしゃるんですね。

 

では先生の医局は現在どういう状況ですか?というところからまずすたーとしていきます。だだまあ・・・波風はどうしても多少立ってしまう部分はあります。

 

やっぱり先生がいなくなってしまうというダメージは(医局に)ありますので。ここはやっぱり、どこまでその先生が振りきれる…という表現は少し雑なんですけれども、自分の人生にとって良いのかどうかというところの判断が大切ですね。

 

(医局をスムーズに辞めるためには)時間をかければいいのか、なにかそれ以外の工夫ができるのかっていうところを、コンサルタントが一緒に考えていくところが大事だと思います。

 

 

―― 工夫ですか、例えばどんな工夫がありますか?

 

そうですね、あるんですけど言えません(笑)。それを言ってしまうと・・・ね。僕らは無理やり先生を医局から出すということはできないので。

 

医局の存在の重さというのは、僕らも重々承知していますので、なにか嘘をついてとかそういうことをしてというのは考えられないので。

 

やはりそこは先生個人にとってどれだけ重みがあるのかということを大事にして、真剣に僕らも考えなければならないと思っています。

 

そういう(辞めるための工夫といった)話をしてしまうと、医局を出ることが正しいとなってしまいます。医局にいることは間違いでも何でもないし、ドクターでありつづけるために、もしくは自分の思い描いた医師像のために医局にいるっていうことは、私は正しいことだと思うんです。

 

ただし、先生が大事にしているものがね、例えば、家族であったりとか、違う自分の人生において例えば趣味ですとか・・・それはそれぞれだと思うんですよ。

 

そういったものを重要視したときに、じゃあ今の環境でいいのかどうか。その環境から出る必要があるのならば、どうすればいいのかと。

 

 

―― 医局を出ること煽っているわけではない。

 

もちろんそうです。そういう風に傾いてしまうと、僕らのメッセージとして「医局を出るためにこうしましょう」とか、もともとそれは大きな違いがあります。

 

医局であれ、転職先であれ、納得がいって高いパフォーマンスで仕事をして頂くということは、人の命を救うことだと思っているんですよ。僕らにはそういうことはできない。

 

医師の先生にしかできないことに、間接的に関わらせて頂けると。そしてその(医師の仕事としての)パフォーマンスがどうなれば上がっていくのかというのが重要だと思うんです。

 

そこが、今いる場所なのか、それとも、転職という方法を使って、より高いパフォーマンスを発揮すべきなのか。そのためには年収なのか他の条件なのかという話。

 

そしてそれが大きすぎて叶うのか叶わないのか・・・っていうのが、バラバラになってしまうと元も子もないんです。先生の人生ということを忘れちゃって、僕達が沢山仕事をとって沢山の先生の転職を決めれば、会社としてはOKなんですけれども・・・失敗したケースを積み重ねたって何の価値もないと思っているんです。

 

メディウェルにはサービスポリシーがあるので、そのサービスポリシーに則って、先生と長いキャリアをいっしょに寄り添って生きていくというのを掲げているので。

 

それが(常勤)転職じゃなくてもバイトでもいいですし、ちょっとした情報だっていいんですよ。その時に「メディウェル」と先生がいってくれるかどうかというところを目指したいなと思っているので。医局というフェーズは先生のライフプランのなかの1つなんですよと思っていただきたいです。

 

 

―― そのサービスポリシーについてもう少し教えて下さい。

 

私達が掲げているサービスポリシーは最初にもう先生にお伝えしています。「納得いく転職、満足いく採用」と。

 

「納得いく転職」はドクター、「満足いく採用」は医療機関にも同時に掲げています。この2つ双方が重要なので、実は片方に傾いてはいないんですよね。

 

ドクターだけが…ではなくて、やっぱり医療機関様があってこそ、いい関係をドクターとつないでこそ医療というものが良くなり、多くの人を救って頂ける。そういうふうに僕達も願っているので、こういったサービスポリシーを掲げているというところですね。

 

 

―― なるほど。ところで信用できる医師紹介会社の選び方を教えて頂けませんでしょうか?

 

一言で言うと、信頼できる紹介会社を選ぶということなんですが・・・小さい約束を守れるかどうかだと思いますね。登録して直ぐにその医師紹介会社を信頼できるかどうかといったら、まず不可能ですよね。

 

 

―― とにかく今直ぐに登録登録と五月蝿い紹介会社も多いですよね?

 

登録することはいいんです。ただ、私達コンサルタントと直接会った時に、すぐその人間を信用できるのかといったら無理だと思うんです。

 

このコンサルタントはどういう人物か、どの程度(医療業界、転職について)知っているのかな、と先生も見ますし、どの程度自分のことを理解してくれるのかな?と当然思うはずなんですよね。その時に、(コンサルタントは)自分はどういう思いでこの会社・仕事をやっていて、先生に関わっていくかをきちんと言えるかどうか。

 

そして、いつまでに先生の情報を医療機関にお伝えしますであるとか、いつまでに(支援タスクを)行いますであるとか、それぞれは小さい約束かもしれないですかれども、それをきちんと遂行することができる医師紹介会社。まずはここからだと思うんですよね。

 

そういうのがちょっとあやふやだったりすると、恐らく信頼できない医師紹介会社なんじゃないかなって思います。もしも転職がうまく行かなくなったとき、そのコンサルタントがどれだけ責任を背負えるかと思っているか。

 

 

―― 医師の方は初めての会社に登録する際はドキドキしていると思います。

 

それをわかっている医師紹介会社なのかどうかが重要じゃないですかね。医師登録が来ると「魚が来た」みたいな感じで奪っちゃうように行っちゃいがちです。

 

 

―― 喰い物にされるのでは?と心配される先生はいますよ。

 

はい、だとすると、本当にそういった先生のご不安をわかっているかどうかが重要。先生はご不安だと思いますので、ここからスタートしましょうとか、そういう相手を思いやることが言えるかどうか。

 

いきなり勝手に「ここから行きましょう!」となると、先生としては「うーん・・」となるのは当然だと思います。

 

僕がもし次に別の医師紹介会社に転職するとしたら、そういった先生のお気持ちに敏感になれる会社を選びたいと思いますよね。

 

 

―― いい回答を頂きました。

 

ありがとうございます!

 

 

=終了=

 

 

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この記事を書いた人


野村龍一(医師紹介会社研究所 所長)

某医療人材紹介会社にて、10年以上コンサルタントとして従事。これまで700名を超える医師の転職をエスコートしてきた。担当フィールドは医療現場から企業、医薬品開発、在宅ドクターなど多岐にわたる。現在は医療経営専門の大学院に通いながら、医師紹介支援会社に関する評論、経営コンサルタントとして活動中。40代・東京出身・目下の悩みは息子の進路。

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