総評:アネナビ(株式会社アネステーション)
■ 記事作成日 2014/2/4 ■ 最終更新日 2016/6/1
現在の企業レビュー結果…「A評価」
総評:麻酔科医師社長が仕掛ける医師紹介会社の実力は?
アネナビの特徴は2つあります。「1.社長が医師資格を所有している点」、「2.麻酔科医の求人に特化した点」であることにつきるでしょう。現役の麻酔科医がベンチャー企業として医師紹介会社を起こした例は、業界内外でもかなり話題になりました。
医師紹介会社の業界には、社長ご自身が医師資格を持っている会社があります。株式会社メディカル・コンシェルジュ運営のMCドクターズネット社長の磯野晴崇氏は慈恵医科大学出身の医師でもあります。同じように、アネナビを運営する株式会社アネステーション代表取締役 高橋響氏は、大阪大学医学部出身の麻酔科医師でもあります。
超ウルトラ売り手市場であり、高額アルバイトが可能な麻酔科医師の紹介に着目したのはさすが医師資格所有者が社長を務めるだけあります。
MCドクターズネットの礒野社長は、慈恵医科大学を卒業した1992年からたった8年後の2000年に独立起業し株式会社メディカル・コンシェルジュを立ち上げました。アネナビの高橋響社長の大阪大学医学部の卒業年が不明なのだが(現在調査中)、礒野社長と同じく割と若くして起業に至った可能性が高そうです。
過去にフリーランスの麻酔科医師としてご自身も活動していた
アネナビの高橋社長は、勤務医を退いた後にご自身もフリーランスの麻酔科医師として働いていた経緯があるようです。2008年に当時の高橋社長と思われる方がフリーランス麻酔科医師としてテレビ番組の医局制度崩壊とフリーランス医師企画でインタビューを受けていました。このVTRには医師紹介会社の代表としてリンクスタッフ代表の杉多保昭氏も収録に参加しています。当時のVTRから、「フリーランス麻酔科医師 高橋響氏」のコメントを抜粋してみましょう。
リンクスタッフ・杉多保昭代表
「(フリーランス医師給与の相場は)麻酔科医が1番高い。1日あたり10万円~20万円が相場」
フリーランス化が最も進んでいるのが麻酔科医であり、高橋医師も4年前に勤務医を辞めて、10か所以上の病院を駆け回っている。
麻酔科医・高橋響さん
(Q.きょう、手術の予定は?)
「きょうは無いです」
(Q.オフ?)
「そうですね」
決まった手術を入れているのは週4日、残りの3日は休日にしているがゆっくりとはいかない。取材初日のこの日も…
麻酔科医・高橋響さん
「もしもし。どうもお世話になります。わかりました、結構ですよ」
どうやら緊急手術の依頼が入ってきたようだ。
麻酔科医・高橋響さん
「患者さん、何歳の方でいらっしゃいますか?81歳。わかりました。よろしくお願いします」
「緊急手術入っちゃいましたね」
依頼の中身は、大動脈の弁を交換する心臓手術。契約病院からの電話で、高橋医師の休日は終わってしまった。
麻酔科医・高橋響さん
「昼間でも時間関係なく手術が入ってくるんですよね。今行く病院も常勤のドクターがいるんですけど、朝から予定手術の麻酔をされてますんで、それが終わってからの手術になっちゃうんですね、そこまで待てないということになりますよ」
高橋社長ご自身がフリーランス麻酔科医師としての活動実績が多彩だった故、同じ立場のフリーランス麻酔科医師に対しての利便性を追求したサービスに育っていると期待してしまいますが如何でしょうか。何せ麻酔科医師のみに絞り込んでの紹介事業をしており、業歴もまだ浅い(2007年創業)なので、アネナビに関する情報はいまいち希薄な状態です(どなたか同社について私よりも多くをご存じの方がおりましたら、是非、情報ご教示願い耐えればと思います。是非ご連絡くださいませ)。
会社概要:株式会社アネステーション
会社名 | 株式会社アネステーション |
---|---|
設立 | 2007年3月 |
代表者 | 代表取締役 高橋響(麻酔科医) |
資本金 | 5000万円 |
年商 | 非公開 |
従業員数 | 7名 |
コンサルタント数 | 非公開 |
所在地 | 〒 541-0047大阪府大阪市中央区淡路町三丁目1番1号 |
連絡先 | 06-6201-0556 |
営業拠点 | 1支店 |
厚生大臣認可 | 27-ユ-300768 |
医療従事者会員数 | 452名(麻酔科医師のみ) |
商業登記簿謄本(画像クリックで拡大)
商業登記簿謄本の公開について
商業登記簿謄本は、申請すれば全ての国民が閲覧することができるものであり、インターネット上に公開することに違法性がないことを、法務局・弁護士に確認済みです。ただし代表取締役の住所につきましては、プライバシー保護の観点から、自主的に非公開としています。
業績について
株式会社アネステーションの業績は未発表です。帝国データバンクにも東京商工リサーチにも該当データは引っかからないようでした。また、平成23年にティーワークス株式会社という会社を吸収合併しておりますが、どのような会社であったかは不明です。同社は現在の株式会社アネステーションの登記住所(大阪市中央区淡路町3丁目1-1)に所在していた会社であるため、ひょっとして単なる税務対策上や業務分割のためのペーパーカンパニーだった可能性もあります。尚、ティーワークス株式会社では、過去にハローワークにて「秘書」「運転手」「事務員」を募集していた形跡があります。
話がそれました。株式会社アネステーションの業績についてなのですが、おそらくではありますが、麻酔科医に絞り込んでおり、且つ、関西エリアメインの営業カバレッジであることを考えると、数億(1~3億程度か?)の売上にとどまっている可能性もあります。利益率も不明です。どなたか情報を持っている方がおりましたら、是非ご連絡下さい。
売上高(H25) | 利益高(H25) | 売上高(H24) | 利益高(H24) |
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非公開 |
非公開 |
非公開 |
非公開 |
サービスサイトへのアクセス推移
アクセス状況の全体分析
同社運営サイトへの直近アクセス推移は上記のようになっております(2014年11月12日 SimilarWebにて調査。全体のアクセスデータが不十分で調査結果がでませんでした。つまり、まとまった規模のアクセスが集まっていない医師紹介会社サイト(月間1万PV以下、1日訪問数200名以下)として認識してよいと思われます
アクセス参照元サイト
同社サイトのアクセス流入元サイトは、データ量不足のため解析ができませんでした。
アクセス検索キーワード
同社サイトへのアクセス検索キーワードはデータ量不足のため解析ができませんでした。
リンクスタッフの経営手法を研究か?
先に触れました2008年に高橋社長が出演したテレビ東京「速ホゥ!」番組インタビューの話です。この時のVTRでは、リンクスタッフの杉多社長と一緒に高橋社長が出演する演出となっています(医師紹介会社やフリーランス医師の現状全体図をリンクスタッフ杉多氏が説明し、フリーランスで稼いでいる麻酔科医師の具体的例として、当時の高橋氏に密着がつくという流れです。
リンクスタッフと高橋氏の関係は不明ですが、テレビ番組の企画構成手順でよくあるように、ひょっとしてリンクスタッフからの紹介で、当時フリーランス医師だった高橋氏に取材が入った可能性は高そうです。ということならば、当時の高橋氏はリンクスタッフに登録していたフリーランス医師である可能性も高く、当然、現在のアネナビの運営にはリンクスタッフの運営ノウハウを多分に活用している「可能性」もあります。
実際のところはわかりませんが、リンクスタッフへの評判と評価は正直言って芳しいものではないので、この点は少々懸念されます。もしくは、高橋社長が、逆にリンクスタッフのような既存の医師紹介会社を反面教師として、アネナビを運営している可能性もあるわけです。
ただ、アネナビの運営スタイルとリンクスタッフの運営スタイルに決定的な共通項が見つかっているわけではないので、あくまでも、同社設立の経緯からみた私の予想でしか過ぎない点にご留意下さい。でも、どんな起業家もご自身の経験を元に会社を作られるのがほとんどですからね…、多少なりとも高橋社長が登録していた医師紹介会社のやり方を模した、もしくは、換骨奪胎した可能性は捨て切れません。
「診療特化型」医師紹介会社の強みと弱み
麻酔科医師の保有求人数
アネナビは麻酔科医の求人に特化している故に、他の総合的な医師紹介会社と総求人数を比較するのはナンセンスでしょう。麻酔科医師のみに絞って他の大手医師紹介会社と求人数を比較してみると、専門だけあってそれなりの数の求人を保有しているようですが、やはりアルバイト求人が多くを占めると言えそうです。
また、アネナビの麻酔科求人の内訳は下記のようになっています。ただしアルバイト案件は既に紹介済の案件も含まれている数です。さすがにフリーランス麻酔科医師をコアターゲットとして運営されているだけあって、アルバイト求人の数はずば抜けて多い様子です。ただし、アネステーションが大阪にある会社なために、営業カバレッジから求人募集が関西に大きく偏っている様子です。
従って、関東の医師にとっては、物足りない求人検索結果になる可能性が大きいです。さらに言えば、診療科目特化型という「強み」を裏返せば、組織規模の拡大が難しいという同社の「弱み」を意味します。要は、他の総合型医師紹介会社と違って、全国展開は市場規模を考えてもかなり難しいのではないか?と考えられます。
この期は他の医師紹介会社との連携だったり、5大都市(東京、大阪、札幌、名古屋、福岡)のみは展開するなどの方向性も経営資源次第では考えられますが、それ以外の中規模以下の都市や地方に営業展開展開することは望めそうもありません。当面は関西エリアのみの求人情報を得るために使用する会社かもしれません。
医師求人数(2014年2月3日調査)
常勤医師 | 非常勤医師 | アルバイト(単発) |
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319件 | 324件 | 6,601件 |
※キャリアコンサルタント保有求人と病医院直接応募求人を足した合計数
求人サイトの使い勝手と情報量はイマイチ…というかイマドキでは最低レベルといえる
サイトそのものの使い勝手はよくありません。公開求人情報においては、かなり簡素な情報しか掲載されていないので、予備知識なしにサイトだけみたときは、正直言って「ここ大丈夫かな・・」と不安になります。もう少し情報を公開してもよいのではないでしょうか?いくなんでも公開情報がたったこれだけってのはね(下記画像参照 常勤求人の公開情報をアネナビより引用キャプチャー)。
この公開情報よりも詳細な求人内容を知りたければ、住所氏名はもちろん医師免許番号、最終学歴、最終職歴、医師賠償責任保険の加入情報まで含めた個人情報を入力登録をしないと見ることができないので、はっきりいって初見の医師ならばめちゃくちゃ警戒してしまうのではないでしょうか?それは決して間違った感覚ではないと私は思うのです。
この企業の100社ランキング結果
当研究所が独自で毎年調査している「日本の医師紹介会社TOP100社ランキング調査」において、株式会社アネステーション提供の「アネナビ」はトップ3ランキング入りできたでのしょうか?結果はこのようになっております。
=該当なし=
残念ながら、「アネナビ」のトップランキング入りはどの分野でもありませんでした(※その理由はこちら)。また、その他項目を含めたランキング結果一覧は下記のようになっております。
ランキング圏外(不明) | |
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ランキング圏外(不明) |
=検索件数集計の注意事項=
- アクティブ求人数不明…これらの理由でランキング対象として集計できない
- 検索不可…条件自体がこの検索できない
- 0件…検索はできるが結果が0件
- ○○検索結果に含まれる…検索結果が別条件設定に含まれて表示されている
- 不明…サイト上に結果表示が存在せず
最終評価判定:関西のフリー麻酔科医限定で
アネナビは関西在住のフリーランス麻酔科医師にとって有り難い存在なのは間違いありません。というより、関西の医療機関にとってありがたい存在であると言えそうです。御存知の通り、医療機関はどこも麻酔科医師の不足に悩まされているわけでして、いつでも直ぐに麻酔科医師に仕事を発注できるのば便利なのは間違いないです。
ただし登録した医師にとって大きなメリットがあるのかどうかはちょっとわかりません。何故ならば、超売り手市場の麻酔科の医師ならば競合他社の大手医師紹介会社であっても十分な求人数を紹介してくれる可能性が大だからです。アネナビでなければ麻酔科医師の求人を紹介できないわけではないのです。むしろ、組織規模に劣る分、良質な求人情報を集めてくる営業力に他の競合よりも弱みが見える可能性すらあります。
また、関西に極端に偏っている求人情報もボトルネックです。他の診療科目医師はもちろん、関東を含めた他の地域の麻酔科医師にとっては、同社はまったく関係のない存在です。
フリーランスの麻酔科医師は年収3000万円を超えることも珍しくありません。関西のフリーランス麻酔科医師に限って使用をオススメするという意味で、評価Aといたします。
余談
ちなみに本当に余談なのですが、現役麻酔科医だった2007年当時の高橋響医師が携わった論文を発見しました。文献タイトルは「過去5年間の当院におけるエホバの証人患者25人の麻酔統計」。なるほどエホバですか、麻酔科医として興味がつきない研究対象だったのでしょうか。ネット上でもいくつかエホバと麻酔に関する医療現場からの情報が上がっています、深い問題ですね。
でも調べてみると、結構エホバに関した論文って数多く発表されているのですね。400件以上も見つけられました。全く知らなかったです。
【登録前にお読み下さい】
この会社の登録者の多数は、こちらの会社を同時登録することで優良求人を複数獲得する確率が大幅に向上することが当研究所の調査結果でわかっています。
何故、3社同時登録で優良求人が見つかるのか?
MCドクターズネット |
医師バイトドットコム |
【評価A(評価する)】の医師紹介会社
医師転職支援コンサルタント・野村龍一のアドバイス
「それなりに長所がある医師紹介会社です。ご自身の希望と紹介会社の強みがマッチした場合は登録することに意味があるでしょう。あなたが常勤希望ならば、初めての転職時よりもご自身の希望がよりはっきりした2回め3回めの転職時にご利用することをおすすめします」