安心2016年4月号より
2016年4月号の安心(マキノ出版)では腸もみで10kgから15kg痩せた、腸もみで糖尿病・肝機能・ガス腹・便秘も大改善をテーマに記事が掲載されていました。以下は記事内容の要約ですので、記事を見落とした方などはチェックしてみてください。
※画像は「安心」ウェブサイトより http://www.makino-g.jp/anshin/
Overview
今回の「安心」では、出っぱったお腹が気になる人や、便器やガス腹・むくみに悩む人向け記事として、主に腸もみ、がもたらす効果について特集しています。
雑誌媒体ターゲット層が50代以上、多くは女性である「安心」にとって、お腹まわりを見た目も健康面も改善していく、しかもお手軽に…というのは、この2016年4月号のメインを張るにふさわしい特集ですね。
しかし、腸をもむ、腸をさすることでそれほど多くの効果がもたらされるのでしょうか?
ひとりでお手軽「小腸の6点もみ」「大腸もみ出し」
小腸の裏側にあるリンパを刺激して・・・
女子栄養大学栄養科学研究所の研究員として活動すると同時に、ゲシュタルト研究所「マザーアロマ」を運営する砂沢佚枝代表。
栄養と免疫力アップのメソッドとして独自の腸もみ健康法を考案、2005年に講談社より著書「腸もみ健康法」出版をはじめ、現在に至る書籍出版は18冊30万部。
「出っぱったおなかがすぐへこむ」「便秘やガス腹、むくみが解消し、体調がどんどんよくなる」「自分で簡単に短時間でできる」。確かに、こんなダイエット法があったらいいと思う。
「実際にこれらを兼ね備えている方法があります。それが私の提唱している腸もみ(正式には、インテスタージュ®腸もみ)です」と、砂沢代表は言う。
腸もみとは、おヘソを中心としたおなかをゆっくりともみほぐす方法で、腸のぜん動運動(内容物を先に送る運動)を促す効果があるとのこと。誌面では写真解説がされている。
まず「小腸の6点もみ」とは、仰向けになって軽くヒザを立てた状態で、両手の人さし指・中指・薬指の指先でヘソの少し上を押さえる。
一度ゆっくり深呼吸し、息を吐きながら、おヘソの周りを小さな円を描くように4回、時計回りに指を入れていく。息を吸いながら、反対周りに指を元の位置に戻す。
おヘソの周囲は小腸の位置と重なる。小腸の裏側に密集しているリンパ菅を刺激しリンパの流れをよくする。痛みを感じる場所、硬いと感じる場所を重点的にマッサージすることが大切とのこと。
次に「大腸もみ出し」も紹介されている。
仰向けになって軽くヒザを立てるのは前述の小腸の6点もみと同様だが、その状態で右足を左足の上に組み、そのままひざを右側に倒し、つまり体もごろんと横になり、骨盤と肋骨の間のわき腹に左手を当てる。左肋骨の下端に左手の4本の指を入れ、親指は背中側にしてわき腹を挟む。
鼻から大きく息を吸い、口からゆっくり吐きながら、左ひじを前に倒し、グーっと指が深く入るように掴む。息を吸いながら指の力を緩め、ひじを元に戻す。この作業を一箇所につき3回ずつ行う。
左のわき腹一帯は大腸に便が詰まりやすい。この部分をしっかり揉むことで、便やガスの排出がスムーズになり、おなかがスッキリするとのこと。
「個人差はありますが、どんなにやせている人でも、腸もみをしたときはウエストが1〜2センチ細くなります。最高で9.8センチ細くなった人もいます。
腸もみを習慣として続けていると、今度は全身の代謝が高まり、余分な脂肪が減っていきます。実は私も腸もみで15kgの減量に成功しています」と砂沢代表は語る。
血糖値や肝機能値との関係
腸もみは腸の炎症を抑える
血糖値が高い男性の例。営業職で、付き合いでのお酒を止めることができない、食事制限も難しいサラリーマン。腸もみを始める直前にヘモグロビンA1cが10.8%であったこの男性は、腸もみを続けて3ヶ月後には5.2%となって正常化した、と、グラフを用いて説明されています。
ある女性の肝機能の変化の例も。
子宮ガンの手術後に肝機能値が上がってきたことから、病院で「肝移転が疑われる」と言われた女性は、腸もみを続けると肝機能値のGOT(AST)とGPT(ALT)が急激に下がり正常値となった。この例が、やはりグラフを用いて説明されている。
腸もみをするだけで、なぜこのような効果が生まれるのか。その点を解明したいと、前述の砂沢代表は、大学の研究所で動物実験などを繰り返してきたとのこと。
「その結果分かってきたのは、腸もみをすると、体のあちこちで起きる炎症が抑制される、ということでした」と語る。
小腸が元気だと肝臓もイキイキ
「炎症」と聞くと、皮膚表面が赤く腫れた様子を思い浮かべる。
しかし実は、私たちの体内では、軽微な炎症が絶えず起きては治まる、ということを繰り返している。ごく軽い炎症は免疫にかかわる細胞を刺激して活性化させるので体に必要だが、それが何かの行き過ぎで炎症が強まると弊害が出てくると記事では指摘。
頭痛や肩こり、腰痛、糖尿病や肝臓病、リウマチ、アレルギー疾患などは、体のむくみによる炎症の影響を受け引き起こされやすい。腸もみを行うことで、腸のぜん動運動を促し自律神経を刺激して、そうした炎症を押さえられるとのこと。
「さらに肝臓と腸には門脈(もんみゃく)という密接なつながりがあり、腸の機能が良くなると肝臓の機能も改善されます」と、砂沢代表は続けます。
大腸は主に排泄を、小腸は栄養素の吸収を受け持つ。腸もみでは大腸を刺激して排便を促すが、より重要視するのが小腸からの栄養素の吸収ということ。腸もみは小腸の分節運動(腸の内容物と消化液を混合すること)を促し、栄養素吸収を促進することを目的にする、としている。
小腸から吸収された栄養素は肝臓の活性化に効果的。栄養が良く小腸の吸収状態が良ければ、肝臓がイキイキしてくると指摘。
便通異常研究の第一人者も腸もみを推奨
東邦大学医療センター・大森病院の瓜田純久副院長。便通異常や腸内ガス研究の第一人者も、腸もみを推奨する。
腹痛を起こすガス腹が腸もみで解決
医学界では、腸の機能が科学的に解明されるにつれ、腸が体全体に及ぼす影響が従来考えられていた以上に大きいことがわかってきたようだ。
便秘や肥満だけでなく、これまで腸とは無関係と思われた動脈硬化、糖尿病、高血圧といった生活習慣病、ガン、認知症、アレルギー性疾患など、実に多くの病気と関係していることが判明したという。
そもそも腸の働きは三つ。食物の消化・吸収・排泄。病原菌から身を守る免疫機能の働き。腸内細菌を保ち重要なホルモンなどを生産すること。大切な器官である腸の働きを整えるには腸もみが有効とのこと。
瓜田純久副院長は実例を挙げる。
「84歳の女性が腹痛のため毎晩のように私の病院の救急外来にやってくるようになりました。担当医から相談を受けて私が診察したところ、腸にたまったガスが腹痛の原因でした。腸もみを行い、その方法を女性に教えると、腹痛が治り、病院通いがピタリと止まったのです」
腸の中には健康な人でも常に200mlほどのガスがたまっていて、その成分は主に、呼吸の際に飲み込んだ空気中の窒素と腸内細菌が作り出す水素やメタンガスだ。
そもそも腸内細菌は1000種類以上、600〜1000兆個以上も群生している。このうち人体にとって有効な菌を善玉菌、有害な菌を悪玉菌、どちらともいえないものを日和見菌という。
健康な人の腸内には善玉菌が多く、弱酸性の環境に保たれている。そのため、悪玉菌は繁殖せず、腸管免疫系を刺激して免疫力を高める。
そのために腸もみが有効で、腸内ガスを減らし、腹部膨張感や腹痛の改善だけでなく便秘の解消に重要なのだという。
糖尿病で悪化した腸の働きを助ける効果も
さらに腸もみは自律神経にもよい影響を及ぼすと瓜田純久副院長は続ける。
腸の働きを支配するのは、自律神経でも体を休息へと導く副交感神経。腸もみは副交感神経を優位にさせる。なので夜の就寝前に腸もみを行うとよい、としている。食後2時間以内は避けたほうがよいようだ。
糖尿病の患者にも勧めている。糖尿病の進行は、腸の働きも悪くする。糖尿病の合併症である神経障害によって胃腸の活動が阻害されるからだ。腸もみを行うことで、腸の働きを助けることができる、としている。
「自分で行う腸もみは、力加減が意外と難しいものです。弱すぎれば腸まで刺激が届きませんし、強すぎれば内臓を痛めてしまう恐れもあります。痛くない程度を目安に、無理のない範囲でやさしく行ってください」と結んでいる。
12キロ痩せた、10キロ痩せた、アトピー症状も改善した
この後誌面では、腸もみで、ダイエット成功、ウエストがスッキリした、リウマチの痛みが消えた、便秘が治った、アトピー性皮膚炎が大改善した…などの実例を掲載している。詳しくは誌面(「安心」2016年4月号)を購入の上、詳細を確かめていただきたい。
雑誌「安心」(マキノ出版)2016年4月号「腸もみで10kgから15kg痩せた、腸もみで糖尿病・肝機能・ガス腹・便秘も大改善」より引用および要約
この記事を書いた人
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