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医師に贈与税が合法的にかからない方法5選とは?

医師に贈与税が合法的にかからない方法5選

■ 記事作成日 2021/1/9 ■ 最終更新日 2021/1/9

 

こんにちは、医師紹介会社研究所の野村です。
今回は、医師に贈与税が合法的にかからない方法5選について解説します。

 

相続税務調査が入りやすい職業ナンバーワンの医師とその家族にとって、相続税、贈与税対策は常に悩みのタネになっていますよね。

 

相続税と贈与税対策の基本は被相続人が生きている段階で行うのが最も効果的であり、可能な限り早く、長期間に渡って手を打っておく必要があります。

 

相続発生のほんの2、3年前から始めるような直前対策では税務署に対策を否認されてしまうこともあるのが実情です。

 

となると、ほぼすべての医師と家族にとって、相続税、贈与税対策は気がついたらその日からすぐ実行をすべきテーマであると言えます。

 

そこで今回は、様々な相続税、贈与税対策の中で、特に医師の方にオススメできるものを5つチョイスしました。

 

今回ご紹介する中で、もしも先生がまだ着手していない相続税、贈与税対策がある場合、今すぐ専門家と一緒に対策を講じるべきですので、是非最後まで記事をお読みください。


対策1.暦年での生前贈与(毎年110万円)

まずは定番とも言える、暦年贈与。御存知の通り、相続人1人あたり毎年110万円までの生前贈与が非課税になるのですが、いくつか注意点があります。

 

まず、贈与契約書を毎年作成してください。肉親の間で契約書なんて大げさだと思いがちですが、毎年作成することで相続人と被相続人の間において生前贈与が同意できている、と税務署に主張できます。

 

お金は証拠が残る預金通帳への振り込みで。現金手渡しはNGです。

 

また、相続人に黙って通帳を作り、こっそりと贈与資金をためて驚かせようなどと考えてはいけません。贈与する側、される側双方が暦年生前贈与の事実を知っていないと課税対象になってしまいます。

 

非課税にするには相続人がいつでもお金を使える状態でないといけません。キャシュカード、通帳、ハンコは相続人の手元にあずけてください。

 

これは被相続人がこっそり貯めた「名義財産」ではないということを裏付けるために、実際に相続人がお金を引き出して使用した履歴がある方がベターでしょう。

 

尚、暦年贈与は相続開始前3年以内の分が課税対象とされるので、できるだけ早くから実施することです。これは死亡直前の駆け込み相続税対策を防ぐための措置と言われます。

対策2.教育資金一括贈与特例の活用

子や孫が30歳未満ならば、将来の教育資金として一括1500万円までなら就学前段階に非課税贈与ができます。赤ちゃんにも贈与可能です。

 

次項で説明しますが、もともと教育費自体は必要な時に都度譲渡という形をとれば非課税対象でした。ここで説明しているのは「事前に多額の贈与」ができる点で異なります。

 

信託銀行の教育資金贈与信託を利用します。相続人である子や孫は、教育資金として利用した分の領収書などを提出することで、贈与税非課税として資金を引き出せます。

 

通常は金融機関に対して手数料(管理手数料、事務手数料)がかかります。

 

これは教育費以外に使ってはならない上に、塾や習い事といった学校以外の教育費だと上限が500万円に限定される点に注意です。

 

また、2021年3月31日までに贈与された資金が対象ですので、まだ未対応の方は急いで口座を作るべきでしょう(延長の可能性もあります)。

対策3.生活費や教育費を必要な時に都度贈与する

生活費や教育費はならば、必要な金額を都度贈与しても非課税となります。ただし「通常必要と認められる金額」を大幅に超えると課税の恐れがあります。大学生の子供ならば300万~400万程度までと一般に言われますので、年間110万円を超えても問題はありません。

 

ただし、医学部や海外留学で高額な教育費が必要ならば、この限りではないようです。それでも支出分を超えた余剰贈与となる金額については課税対象となります。

 

教育や生活費以外の支出や貯金、投資をすれば当然、非課税にはなりません。

 

きちんと税務署に証明をするには、例えば「生活費専用の口座」「学費専用の口座」など作り、きちんと支出履歴を時系列で残していくことがポイントです。

 

尚、祖父から孫への贈与も問題有りません。

 

当然、タンス預金をそのまま現金で渡すのは脱税行為とされる可能性が大きいので、必ず振り込みという履歴の残る形で贈与しましょう。

対策4.非課税資産を細かく積み上げる

コツコツと非課税資産を細かく積み上げるのも大事です。墓地、仏壇、仏具、神棚、庭内神し(ていないしんし)、冠婚葬祭祝い金は非課税ですので、手元の現金資産を全て現金のまま持っておかないようにするのは大事です。

 

ちなみに「庭内神し」とは、個人の敷地内にある神を祀る社などのことで非課税です。地方のお金持ちが住む敷地内に鳥居が立ってたりしますよね。なぜこういった社が個人宅にあるのか考えてみましょう。答えは明白ですね。

 

医師に贈与税が合法的にかからない方法5選
庭内神しの例 (画像引用:https://allabout.co.jp/gm/gc/426483/

 

仏具等ですが、純金のものなど高額で換金性があるものは否認されますのでNGです。
日常使用に耐えうる範疇で比較的高額な仏具や墓を選ぶのがセオリーです。

 

他にも、生命保険は「500万円×法定相続人の人数」の金額まで非課税。

 

退職金を受け取る前に被相続人が亡くなった場合の「死亡退職金」についても「500万円×法定相続人の人数の金額」まで非課税です。

対策5.不動産(沖縄軍用地)

最後に多くの方がまず考えるであろう、不動産を使った節税です。贈与というより相続税対策になりますが、没後に資産が移譲するということでこちらにも触れておきます。一般的に相続税対策の不動産購入といえば、タワーマンション購入で低階層と高階層の評価額と相場価格の差を利用するもの、アパートやマンション等の投資用不動産物件の購入、小規模宅地の特例などが主流です。

 

しかしながら、タワーマンション購入などのように、相続税対策バレバレの手法に対しては、税務署の締め付けが年々厳しくなってきています。

 

また、自己利用でなく、投資用の不動産物件は節税メリットが大きいのですが、物件購入後には真剣に賃貸運営の実務をしなければならないなど面倒も多いです。

 

物件購入後の資産価値変動についても心配です。不動産相場を読み取れる力がない医師が下手な物件を購入し、結局「負動産」を掴まされるケースはあとをたちません。

 

不動産会社営業マンの口車に乗って、投資用新築ワンルームマンションなんか買ってしまったならば、最低な泥沼ドツボにハマってしまうことは間違いありません。

 

そんな中、まだそれほど知られてなく、且つ、比較的安全度の高い相続税対策不動産をご紹介します。近年多少話題になってきていますが、沖縄県の米軍基地および那覇空港を含む自衛隊基地、いわゆる「沖縄軍用地」を購入する相続税、贈与税対策です。

 

沖縄県民と一部の本土の方々には常識ですが、米軍基地のある土地は売買が可能です。軍用地の多くは戦後、沖縄地元民から米軍が武力で接収して基地化された場所であり、名目上はもともとの地主が日本政府(防衛省)に土地を貸し、政府がその土地を無償で米軍に貸与しているという形を取っています。ですから、元々の地主は米軍基地のある土地を売ることができるし、誰でも買うことができます。

 

沖縄軍用地はもともと「山林」「畑」だった場所が多く、相続税評価額が非常に低いのが特徴です。場所にもよりますが、例えば、現金で買うと5000万円だが、評価額は1000万円に満たないといった感じです。

 

軍用地の所有者には防衛省から毎年「地代」が支払われます。しかもこの制度ができて以降、バブル崩壊だろうがリーマンショックだろうが、毎年1%ずつ地代は値上がりしています。これは日本国政府による沖縄民へのある種の「気遣い」であると言われています。

 

アパートマンションなどの投資用不動産物件となり、軍用地に管理は不要です。登記上の所有者になりさえすれば、ただ軍用地を持っているだけで勝手に毎年地代が振り込まれてきます。しかも、相手は日本国政府ですからとりっぱぐれも有りません。

 

更に、軍用地は不動産なのに比較的流動性が高く、すぐに右から左へと売却されていきます。多くの沖縄県民が定期預金の代わりに軍用地を購入すると言われる理由がこれです。将来、軍用地を売却したいときも相当容易に売り抜けることができるでしょう。

 

1点注意するべき点は、将来的に米国政府から日本政府に返還されにくい場所を選んで購入すべきということです。せっかくの軍用地も返還されてしまっては単なる沖縄の土地になってしまいます。防衛省のサイトなどでは、沖縄軍用地の返還計画などが常に公開されていますので、そういった情報を定期的にチェックするのは必須です。

 

ちなみに今後もまず返還されないだろうと言われるのが沖縄市、北谷町、嘉手納町にまたがるアジア最大の空軍基地、「嘉手納基地」。

 

わたしも個人的に相続目的で沖縄軍用地を6筆、8千万円分ほど所有しているのですが、すべて返還可能性の低い嘉手納基地の物件に集中させています。

まとめ

医師に贈与税が合法的にかからない方法5選

ではまとめです。

 

本日は、医師に贈与税が合法的にかからない方法を5つお話ししてきました。

 

毎年110万円の暦年生前贈与
教育資金一括贈与特例の活用
生活費や教育費を必要時に都度贈与
非課税資産を細かく積み上げる
不動産の活用(沖縄軍用地)

 

このような結論になっています。

 

相続および贈与についてお悩みの先生は、是非今回の記事を参考にご自身の生き方の参考にしてみてください。

 

この記事を書いた人


野村龍一(医師紹介会社研究所 所長)

某医療人材紹介会社にて、10年以上コンサルタントとして従事。これまで700名を超える医師の転職をエスコートしてきた。担当フィールドは医療現場から企業、医薬品開発、在宅ドクターなど多岐にわたる。現在は医療経営専門の大学院に通いながら、医師紹介支援会社に関する評論、経営コンサルタントとして活動中。40代・東京出身・目下の悩みは息子の進路。

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