20代:一般病院からメディカルドクターへ
私は患者さんの病気を治すお医者さんに憧れて、医師を目指しました。国家資格に合格して病院での仕事に就いたのですが、実際には自分の力に限界を感じる日々。治ると信じて診療に来る患者さんに、効く薬が少ない。
色々な方法で治療を試みましたが、完治に結びつかず苦悩が続いていました。
体調を崩したことをキッカケに、転職を考え出した
そんな時、ハードな勤務状態から体調を崩すようになり、病院からは「若いんだから、もっとしっかりしてくれよ」などと言われるようになりました。
プレッシャーには強い方だと思っていたのですが、自分の描いていた医師という職業と現実とがあまりにかけ離れているように感じ始めたのがこの頃です。今では、私の抱いていた理想が高すぎたのかもしれないと思います。
忙しい勤務体制と医師同士の人間関係に悩み、勤務から数年ながら転職を考えるようになりました。
勤めていた病院は系列があり、稀に転勤もあります。新米医師である私にも転勤になる可能性は全くないわけではありません。こうしたことにも、不安はありました。前もって分かっていたことではありますが、実際に勤務してみて、この系列病院でずっと勤務を続けることは難しいと思い始めたのです。
病院での苦い経験が、メディカルドクターへの転職を決意させた
違う病院への転職であれば、勤務体制や給与面で満足できる病院もありました。しかし診療の際に経験した治療薬が少ないという現状から、「もっと効果が高く、副作用の少ない薬があれば」という気持ちを強く持つようにいなっていました。
その思いが忘れられず、私はメディカルドクターとしての勤務を目指そうと決めたのです。
メディカルドクターは数が少ないので、私の周囲でも目指しているという人はいません。しかし近年ではよくその名前を聞き、密かに興味を持っていました。企業の一員として働くので、病院のように当直や呼び出しに振り回されることもありません。
また直接的な治療ではありませんが、病気を治すために私の知識を発揮できるのではと考えました。
転職活動を行うと決めて、まずは求人サイトに登録してみました。
しかし、メディカルドクターの募集はあまり見当たりません。また実態としても、20代で病院勤務からメディカルドクターを目指すケースは稀なようでした。
医師転職エージェントのヘルプ
そんなとき、ふと目にとまったのが転職エージェントです。私にとってあまり馴染みのないサービスでしたが、まずはと思って登録してみました。
現職があることを伝えると、登録は訪問ではなく電話での面談で実施してくれました。その会話の中ではやはり「メディカルドクターへの転職は、難しいかもしれない」ということでしたが、それでも熱意を伝えると、コンサルタントは数日かけていくつかの求人を私に紹介してくれました。
転職活動は半年以上にも及びましたが、遂にメディカルドクターの仕事で内定。現在は、外資系の製薬会社で働いています。
私はあまり英語が得意ではないのですが、今は日本人のチームで働いているため安心して仕事ができています。
楽な仕事ではありませんがやり甲斐はありますし、病院勤務に比べるとプライベートな時間も確保できるので働きやすい環境です。これから英語力をつけてチームの中心となり、より良い薬の開発に取り組んでいきたいと思っています。
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