ブランクを埋めるため、まずはスポット医として現場復帰
医師として総合病院に10年務めていましたが、出産を機に辞める事にしました。産休を取って復帰する事も考えましたが、子育てをしながら長い勤務時間を考えるとどうしても踏み切る事ができませんでした。
子供はしょっちゅう熱を出しますし、何があるかわかりません。あずけられる環境もよくなかったので、辞めるしかないな、という半分後ろ髪引かれる思いで辞表を出しました。しかし医師としてはまたやっていきたいな、と漠然と思っていたんです。
出産してしばらくしてから、どこか勤務条件の良い病院に再就職しようという考えもありました。しかし半年後に、二人目を妊娠。出産した頃には再就職しようにも、3年のブランクがある事で自信はありません。またそういったブランクを持っていて、二人の子持ち女性医師を雇ってくれる所は早々にありませんでした。しかし医師という職業に未練のあった私は、なんとか医師として働く方向に持っていきたいと考えていました。
ブランクを埋めるためにスポット医
そんな時、以前登録していた人材エージェントの担当の人から
「常勤は自信がないとおっしゃっていましたが、スポット医から始めて、ブランクを埋めるという方法もありますよ。」
と言われました。全く考えていなかった勤務体系でしたが、ブランクを埋められるということですぐにスポット医を紹介してもらえるようにお願いしました。
私が登録していた人材エージェントは登録者に女性医師や看護師が多く、出産や病気などのブランクについても割と融通がきくところでした。しかし私のブランクの長さを考えると、まずスポット医からの勤務を勧めてくれたコンサルタントの方のアドバイスは的確だったと思います。
さっそく、健診のスポット医をスタート。内科医で勤務していたにも関わらず健診というだけでドキドキしましたが、やっているうちに医師としての感覚が戻ってくる感じがしました。そのうちにスポット医の仕事の中でも、病院内の医師として働くようになっていきます。スポット医は子供が熱を出しても融通がきく場合が多く、時給も好条件のところが多かったのが印象的です。
スポット医は人気があるのですぐに埋まってしまいますが、人材エージェントではこまめに連絡をくれて、仕事も週に1日から2日と入ってくるようになりました。
医師としての感覚が戻ってきた
2~3ヶ月ほどスポット医として働くと、医師としての感覚が戻ってきたのを感じました。その頃から病院内で子供をみてくれる転職先を紹介してもらい始め、今では常勤で勤務しています。たまに子供が熱を出したりしてご迷惑をおかけしますが、それでも対応してくれる病院です。ブランクがありながら、医師としての仕事をまた始められる事になるとは、本当にありがたいことだと感じています。
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