30代:同科で年収アップ転職を成功
ある日、大学時代の同級生とお酒を飲んでいたときのことです。彼は同じ科で働いているのですが、よく聞くと私とは全く年俸が違っていることを知りました。もちろん具体的な数字で聞いたわけではありませんが、明らかに数百万円単位で違っている現状を知り、私は転職をしようと思ったのです。
さらに話を聞くと、勤務環境にも違いがありました。私の勤めている科では業界的にも当直が少ないのですが、私は週1回の当直があり、診察する人数も多いくとても忙しい身でした。同級生も診察は忙しそうでしたが、なんと当直もなく、家族との時間を取れている環境にむしろ満足していたのです。
入職当初はやりがいのある病院だからと選んだのですが、これではさすがにモチベーションを高く保つことが難しいと感じてしまいました。
また専門分野を持つ病院だったので自分の科以外で勉強できる機会が少なく、狭い環境に身を置いていると感じることも多くありました。もともとは専門分野を極めていくという目標で入った病院でしたが、その為には他の科の勉強も必要なのではないかと考え始めていたのです。
そんな中で聞いた同級生の話は、私に転職を考えさせるには十分でした。自分にもっと合った条件の病院を探すべく、転職を決意したのです。30代も中盤を迎えていましたので、やり直すにはこのタイミングしかないとも思いました。
人脈ゼロで難航する仕事探し
しかしいざ転職活動を始めてみたものの、私は職場を紹介してもらえるほど人脈がありません。唯一、大学時代の先輩が働く病院を紹介してもらおうとしましたが、紹介してもらった後で「やっぱり違う」と思っても、断りづらいのでやめておきました。仕事探しから、いきなり躓いたわけです。
そんなある日、何気なくインターネットサーフィンをしている中で目に入ったのが「医師転職をサポート」の広告です。いわゆる転職エージェントですが、私はあまりこうしたサービスを信頼していませんでしたので、登録こそしたものの半信半疑でした。
しかしコンサルタントとの面談で私の経歴や転職を考えたキッカケ、条件などを伝えると、すぐにでも私の専門分野を活かせる病院があるとのこと。自力ではほとんど仕事を見つけることすらできませんでしたので、これは驚きました。良く話を聞くと、私が働いていた病院が業界内でも有名であり、また専門性が高いという経験も高く評価を受けられるのではないかと言います。自身に対する評価に不満を持っていた私はこの言葉を嬉しく感じ、この転職エージェントを信頼してみようと思いました。
年収や設備、人間環境も好条件での転職
面談を終えてからすぐ、3箇所の病院を紹介してもらいました。いずれも職場見学をさせて頂き、面接も実施。そのうちの1つ病院がまさに私が勉強したい分野であり、また治療に必要な医療機器などの設備も魅力的な環境でした。年俸も以前から比べて300万円も増えることとなり、これ以上ない好条件で転職を決めました。
後から聞くと、年収面については転職エージェントの担当者が事前に交渉をして下さっていたとのこと。私は収入に不満を抱いていたことを知り、働きかけてくれたようです。
今では更に年収も上がり、人間関係も良い環境でのびのびと働けています。業務はあいかわらず多忙ですが、この病院で更に自分の専門性を高めていきたいと思っています。
この記事を書いた人
医師キャリア研究のプロが先生のお悩み・質問にお答えします
ツイート