スポットバイト体験記 透析バイト@埼玉県…透析のバイトは勤務中にやることが基本的にないので、本当に楽。
■ 記事作成日 2017/5/1 ■ 最終更新日 2017/12/6
今回のスポットバイト体験記は、楽で高給の代名詞、透析バイトについての話です。
先日、埼玉県某所の透析クリニックでアルバイトをしてきました。
<勤務条件>
9時から17時
日給10万円(交通費別)
透析2クール 昼食付き
透析クリニック(埼玉県)
初回なので8時半に最寄り駅に来てください、とのこと。東京から最寄駅まで行ったところで、お迎えの車と待ち合わせ。駅から車で10分ほど走り、本日の透析クリニックに到着。再開発されたエリアで土地もかなり広くとってあり、介護施設も同時に経営しているようです。
まず簡単に事務長に挨拶し、施設内を案内してもらいます。介護施設の経営についてはかなりの経験があるようで、施設づくりにおいて大切なポイントをレクチャーしてくれました。
そうこうしているうちに、9時をまわっていたため、アルバイトのための書類をやり取りし、診察室へ。
基本的にその日は定期の透析患者しか来ないことになっているため、閑散としています。借りた白衣をはおり、透析室へ。
透析室は20床程度と、いたって普通の広さです。
「今日はよろしくお願いします」と挨拶し、勤務が始まりました。
とはいえ、透析バイトのいいところは、基本的に仕事がありません。
穿刺は技師さんがしてくれるし、医師は10分くらいの回診を午前と午後1回ずつ行えばいいだけなのです。あとは何かあったときのために待機。
午前中の回診
基本的に透析自体は患者さんにとっては週2-3回続けている日常の1コマです。ですから、多くは安定していて、何も変わりはありません。
「こんにちはー、おかげんいかがでしょうか」
ときいても、こちらを見もせずけだるそうに「うん。」とだけ返してくる方が6割。「体調は問題ありません。ありがとうございます」と返してくれる方が3割。寝ていて起きない方が1割といったくらいでしょうか。
訴えが無いのは元気な証拠。それもいいことです。
血圧と透析経過が問題無いことを確認し、サインしてまわります。電子カルテ上で書かなければならない場合と、紙でサインすればいいだけの場合がありますが、ここは紙でサインするだけでいいようです。
そのまま何もせず、お昼。
お昼は食事付きとのことでしたので特に何も持参せず。
しかし、ある程度予想はしていたものの、予想以上に口に合わない。
透析患者と同様の健康的なメニューでも、十分おいしいと思える食事を出すクリニックも多いのですが、今回ばかりは大外れです。
メインの魚が美味しくないし、少し冷めているし、煮物もなんだかいまいち…
とりあえず出されたものは完食するのが信条なので、食べきりましたが、次回以降は食事を持参することを決意。
昼食後は、受付の方がコーヒーを出してくれました。午後も暇なので、途中10分くらい回診をしつつ、ゆったりとした時間を過ごします。
16時になり、朝の事務長が再度訪れて、
「もう透析終わったので、少し早いですけど終わりです。駅まで送りましょう」といって、最寄り駅まで送ってくれました。
帰り際に、「是非またきてください。紹介会社の方には連絡をしておきますので」とのことでした。
こちらとしても、是非お願いしたいと思っていると、翌日には次の勤務依頼が来ました。基本的に入れるだけ毎回来てほしいとのこと。少しアクセスが悪いので、定期的に来てくれる人は少ないようです。医師派遣会社から、一般の応募画面に載せる前に、私のみ応募できる形で掲載してくれて、そこで私が応募しなかった日付のみ一般の応募を受け付けるようなシステムを案内してくれました。そんなこともあるんですね。
ただ、こちらも常勤先があるため、毎回だと休みが無くなってしまいますので、月2回くらいでお願いします、と伝えました。
透析バイト、業務時間の多くは「待機」である
それからは、前月終わりごろに翌月の予定を決めるという流れで概ね月2回伺うようになりました。いいバイト先に巡り合えてよかったなー、と思いつつ、こちらも給料分はできる限りいい対応を心がけようと考え、自分から積極的に仕事をしていました。(それでも業務時間の多くは待機ですが。)
何回も行っていると、次第にスタッフの方とも顔なじみになり、特段仕事が無いときには少し話をしたりします。プライベートの話から仕事の話まで、他愛もない話をして時間を過ごします。その中で、ひとつ気になった情報がありました。
「受付の鈴木さん(仮名)、今日で辞めちゃうんです」とのこと。こんなにきれいで、そこまで忙しくもなくて、給料がびっくりするくらい安かったりするのかな?なんて思いつつも、話を続けていると、どうにもスタッフの入れ替えは結構激しいらしい。
聞くところによると、事務長は人の好き嫌いが結構激しいようで、気に入らないことがあると辞めてもらうように画策することがあるそうです。
たとえば、結婚して子育て中の女性であれば、遠方のクリニックへの人事異動を命じたり、男性であっても、短期でころころと他県への異動を繰り返させたりと、人事権を利用したものだとのことです。
無理なことをしても求心力が下がるだけなのに、と思いつつも、自分は単なるアルバイトなので、その場は適当にやり過ごします。ちなみに、その後に代わりの受付の人は来ず、私の食後のコーヒーも無くなりました。
ん、これが派遣切り(?)なのかな。それでもやっぱりお得な透析バイトは1日15万円も見つかります。
そんな形で、自宅からはやや遠いながらもしばらく通っていました。
するとある月、「なかなか来月の依頼こないなー」と思っていると、紹介会社経由で連絡がありました。「定期的に来てくれる先生が見つかったので、もう来なくていいそうです」とのこと。
そう、、、これが非常勤の悲しい宿命です。派遣切り(?)にあってしまいました。
確かに、非常勤なので明日の保証はどこにもありません。それでも、患者対応もスタッフさんとのコミュニケーションもあんなに頑張ったのに…と軽くショックでした。
やはりスタッフの入れ替えも多く、人材を大切にしない雇用主のもとで働くと、こういうことがあるんだな、と身をもって知ることができました。常勤先を探すときにも今回の経験は生きそうです。スタッフの定着率がいい=すなわち医師にとっても働きやすい、ということはあるのではないでしょうか。
医師免許があれば現状バイトには困らないので、バイト先が変わること自体はいいのですが、それにしてももう少し早く言ってくれれば、次のバイト先の目途をつけておけたのに…と思いました。
透析バイトは、安いと1日7万~高くて1日15万くらいです。透析診療自体は、昔からすると真綿で首を絞めるように診療報酬が削られてきており、さらに透析時間も長めになってきている流れもあるため、医療機関によっては経営状況が悪くなっているところもあるでしょう。それでも条件が揃えばかなりお得なバイト先です。空き時間に学会仕事などもこなせます。
今回のバイト先は、結局10回以上行って、対応が必要だったのは2件のみでした。1件は、足のウオノメです。昔何かで習った簡単な対処を行い、あとは次回皮膚科に受診を指示。もう1件は、治療中の褥瘡について少し診てほしいとのことで、現加療継続の指示をしました。
基本的に、透析クリニックは技師さんや看護師さんの裁量も大きいため、多少のことなら何かあっても判断してくれます。その中で、医学的な内容については、法的にも医師の確認が必要であるため、「この処置でいいと思うんですけど、いいですよね。」といった程度の確認で、済んでしまうのです。そういう意味からすれば、非常に楽です。
ただし、今回のクリニックでは経験しませんでしたが、稀には、透析中や前後にAMIを起こしたり、かかりつけの患者が溢水になって運ばれてきて、緊急透析をしたりといったこともありますので、そのあたりの対処は心得ておく必要があるでしょう。
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この記事を書いた人
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