TBS系列「健康カプセル!ゲンキの時間 」 2017年1月29日(日)7:00~7:30より
※画像はTBS系列「健康カプセル!ゲンキの時間 」ウェブサイトより http://hicbc.com/tv/genki/
2017年1月29日放送のTBS系列「健康カプセル!ゲンキの時間 」では、「血圧急上昇に要注意!冬の危険な落とし穴とは!?」をテーマに放送していました。以下は番組内容の要約ですので、番組を見落とした方などはチェックしてみてください。
出演者:三宅裕司、渡辺満里奈、滝裕可里
ゲンキチャレンジャー:さがね正裕、米持美江子、中村武司
医師:東京女子医科大学東医療センター 内科教授 医学博士 渡辺直彦
オープニング
冬になると上がるもの、血圧。特に血圧の高い人にとって、冬は魔の季節。脳梗塞や心筋梗塞による突然死件数は11~2月にかけて多い。日頃から血圧が高い人は、自覚症状がないからといって油断していると血管がボロボロに。
今日は血圧が変動するポイントを徹底調査。
陥りがちな冬の危険な落とし穴とは。10分で血圧が下がるスゴ技とは。
血圧に関する基礎クイズ
問題:高血圧の基準値は家庭で測った時、上が135ですが、病院では?
正解:140
解説:高血圧の基準値は、家庭は上135~、下85~。診察室は上140~、下90~。
診察室では緊張して血圧が上がることを白衣高血圧という。
VTR:24時間血圧測定を行い、3人の血圧変動について医師にチェックしてもらう。
3人のゲンキチャレンジャーの紹介。
さがね(46歳、男性)、お笑い芸人。血圧上190、下111。
米持美江子(52歳、女性)、主婦。血圧上140、下98。
中村武司(76歳、男性)。血圧上140台、下90台。
血圧は普段どんなときに大きく変動するのか。3人には24時間血圧測定できる機械を装着し、普通通り生活してもらう。測定結果を渡辺医師にチェックしてもらう。
医師
高血圧はほとんど症状がない。気がつかないうちに、脳梗塞や心筋梗塞になってしまう場合があるため、自分の普段の血圧を知っておくことが大切。
○ホースを流れる水に血圧を例えて血圧実験を行う○
正常血圧(上120)の人の水圧は、1メートル60センチ。
高血圧(上200)の人の水圧は、2メートル70センチ。
正常な人に比べ、1メートル以上の差がある。
そもそも血圧とは「心臓から送り出される血液が血管の壁に与える圧力」のことをいう。
高血圧では、「血液の勢いで動脈が傷つき、その傷を修復する事で(血管の壁が厚くなり)動脈硬化が進行」する。さらに動脈硬化が進行すると、脳卒中や心筋梗塞など命に直結する様々な血管の病気の原因になる。
ナレーション
それでは3人の冬の血圧変動を見ていく。3人とも血圧が130を上回るポイントがいくつも見られる。
◎変動ポイント1:外出時の温度差
米持
午後2時頃、血圧148から193まで一気に45上昇。自転車で外出。
さがね
午前11時半頃、血圧147から170まで上昇。ベランダで洗濯物を取り込む。
医師
温かい所から寒い所に急に行くと血圧が上がる。そのまま血管が開きっぱなしだと熱が放散し、身体が冷えてしまうため、それを防ぐために(体温を逃さないために)血管がしまり血圧が上がる。
医師
外出する30分前に首にマフラーを巻くことがポイント。首にはセンサーがある。首を温めることによって30分くらいで手足にある動静脈吻合(ふんごう)が開き、末梢の血管が開くので、手足が暖かくなり血圧も下がる。
※動静脈吻合:手足にある、動脈と静脈をつなぐ場所。
帰宅時は暖房で室内を温めて30分ほど経過してから、上着やマフラーを外すと血圧の急上昇を防げる。さがねさんはベランダに出たのはほんの数分だが、半袖Tシャツに裸足という服装が落とし穴。
寒い所にいて、足を冷やすのは危険。外に出る時は短時間でも上着を羽織り、靴下や靴を履きいて足元まで防寒する。
◎変動ポイント2:精神的ストレス
米持
午前10時半頃、血圧138から159に上昇。急いで夕食の支度中。
さがね
午後3時頃、血圧174から229まで急上昇。お笑いライブ前の打ち合わせ中。
医師
献立を考えるのもストレスになり、血圧が上がる。メニューは日頃から考えておいて、困らないようにする。
特に夕食時はみんなが帰ってくるし、時間に追われて血圧が上がりやすいため、時間に余裕をもたせて作ること。ライブ直前は血圧を挙げるホルモンが上がりやすい。
「これからやるぞ」というときに身体は身構えて「血圧上げてよし」という状態になる。よく深呼吸して。大きくゆっくり息を吐くと、静脈から心臓に戻る血液の量が減る。そうすると心臓から出る血液の量も減って血圧が下がる。
◎変動ポイント3:カラオケ
米持
午後7時頃、血圧181から191に上昇。カラオケ中。
医師
カラオケでコブシがある曲や声を張り上げて歌う所で血圧が上がる。マイクをずっと独占せず順番に歌うのが血圧にとっては良い。
◎変動ポイント4:飲酒
さがね
午後10時頃、血圧151から164に上昇。打ち上げで飲酒開始。
医師
飲み会で注意するポイントは、あまり飲みすぎないこと。飲酒後は1~7時間後までは血圧が下がるが、翌朝の血圧が上がる。
ツマミはしょっぱいものを食べると喉が乾き酒が進むため、ツマミは塩気の少ないものに。
◎変動ポイント5:入浴時の温度差
さがね
午前2時半頃、血圧136から153に上昇。脱衣所で脱衣。
医師
(脱衣所も)寒いと血圧が急上昇して倒れる。特に1月は入浴中の心肺停止発生件数が最も多い。脱衣所や浴室を暖めること。
脱衣所にヒーターがない場合は、入浴前に湯煎にシャワーをかけて戸を開けると蒸気が充満し、浴室も脱衣所も暖まる。風呂から上がる前にも戸を開けて温かい蒸気を脱衣所に送り込むように。
◎変動ポイント5:夜間のトイレ時の温度差
米持
午前5時頃、血圧135から171に上昇。目覚めてトイレに行く。
医師
排尿だけで血圧は上がる。さらに布団で身体を温めている状態から急に寒いトイレに行くと血圧が上がる。トイレに行くときは手間を惜しまず、スリッパを履いて上着を羽織る。
ナレーション
室温10℃程度の寝室で寝ている場合は、布団の中が28~33℃、トイレが8℃程度なら気温差は20℃以上というデータがある。
急な温度差により心筋梗塞などを引き起こす危険性が増す。
医師
お勧めなのはトイレの電球が白熱電球や蛍光灯であれば、夜間電気をつけっぱなしにしている方がトイレは暖かくなる。
その電気代は月80円くらい。
◎変動ポイント6:起床時の温度差
中村
午前5時半頃、血圧88から161へ73も急上昇。起床し、布団から出る。
医師
一日の中で血圧変動が最も大きいのは朝。身体がエンジンをかけようとして、血圧は目覚めとともに急上昇する。
しかも冬は身体が冷えて血管が収縮しているため、より血圧が上がりやすい状態。起床後1時間以内は心筋梗塞発作が最もおこりやすい時間帯でもある。
起床時は目覚めてもすぐに布団から出ず、布団の中で横になったまま2~3分、手足をユラユラと動かして血液循環を良くしてから起き上がる。
スタジオ(ドクネットから医師のコメント)
- 高血圧には種類があり、高血圧の9割を占めるのが「本態性高血圧」で原因はよくわかっていいないが、遺伝・生活習慣(塩分の摂りすぎ)・ストレス・運動不足・肥満・加齢などが関係していると言われている。残り1割は「二次性高血圧」といって腎臓やホルモン異常などが原因で起こる。
- 脈圧(上と下の血圧の差)にも注意が必要。収縮期血圧(上の血圧)と拡張期血圧(下の血圧)の差が60以上あると動脈硬化が進んでいる。脳梗塞や脳出血につながる可能性あり。
- 高血圧の人は元々、血管に負担がかかっている。冬場は寒さで血管が収縮して血管にダメージが多くなると、病気などのアクシデントが起こる。どのような要因で血圧が上がるかということを理解して、血圧を上げる要因を重ねないことが大切。
- 血圧が上がる大きな要因は塩分の摂りすぎ。まずは減塩を徹底的に行うのが一番。
<VTR> たった10分で血圧が下がる高血圧改善法!
医師
合谷(ごうく)というツボ(親指と人差し指の付け根)を少し痛いと感じる程度に10~15分押す。押した直後は血圧が上がるが、その後徐々に下がっていく。合谷を押すと上半身の血管が開いて血圧が下がる。
1日3回、左右5分ずつ押す。私の患者で1日3回合谷を押して、2ヶ月後の24時間血圧の平均値が4ミリ下がった人もいる。
さがね
(合谷を押したことにより)血圧上146、下103から上132、下100に下がった。
<今日の健康カプセル>
簡単さ(寒暖差) 血圧上げない 合谷で
TBS系列「健康カプセル!ゲンキの時間」2017年1月29日放送「血圧急上昇に要注意!冬の危険な落とし穴とは!?」より引用、要約、および台詞等一部書き起こし
この記事を書いた人
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