NHK 「ガッテン!」 H29年2月8日(水)19:30~ より
※画像はNHK「ガッテン!」ウェブサイトより http://www9.nhk.or.jp/gatten/
2017年2月8日放送のNHK「ガッテン!」では「つら~い冷え性が改善!血管若返り術」をテーマに放送していました。以下は番組内容の要約ですので、番組を見落とした方などはチェックしてみてください。
出演者 立川志の輔 他
専門家 自治医科大学 苅尾教授、立命館大学 家光教授
オープニング
女性の半数以上が手先・足先の冷え性に悩んでいるという。冷え性の人の多くは血管が老化しているという衝撃の事実が発覚。
今回、運動生理学と医学のスペシャリストが結集し、全く新しい冷え性改善法を開発したところ、冷え性がわずか3週間で劇的に改善。(血管も若返る)
これまで番組では様々な冷え性改善方法を紹介してきた。特に反響が大きかったのは、太ももに手を置く方法。
温かい太ももの熱で冷えた手が温まることで、脳がリラックスし、縮んでいた末梢の血管が広がり血行が良くなる。
そしてもう一つ、首を温める方法。
首には手足の血管を広げるスイッチがあり、首を温めると手足の血流が良くなり、ポカポカになる。
今回紹介するのは、血管のばし。冷え性の人は血液の循環に問題があるため、血圧に異常が出てくる可能性がある。血管のばしが最も必要な冷え性のタイプは、血圧異常のある冷え性だ。このタイプの冷え性は命に関わる(脳梗塞のリスク)こともある。
冷え性の女性が脳梗塞を起こした例
Bさん(冷え性あり)は、普段の血圧は正常範囲内であるにも関わらず脳梗塞を発症した。
しかも自覚症状がないのに、脳の深い部分の細い血管が何箇所も詰まって脳梗塞が起きていた。細い血管は血圧変動のインパクトを最も受けやすい。
冷え性が血圧異常(血圧変動)を起こし、脳梗塞につながっていたのだ。
危険な冷え性を見分ける方法(血圧変動チェック法)
冷え性の人の中には血管が硬くなっている人がいるため、それを見分ける方法が血圧変動チェック法だ。
血圧測定後、一度立ってから座って再び測定する。2回の血圧(最高血圧)の差が10~15以内なら黄色ゾーン、15以上なら赤ゾーン。血圧は正常な人でも一日の中で変動があるものの、一定範囲内に収まる。
平均血圧が上がることを高血圧というが、最近はそれとは独立して「血圧変動の大きさ(変動型の高血圧)」がプラスアルファのリスクになっていることが分かってきた。
2回の測定差が15以上であれば、循環器内科などを受診して24時間血圧変動検査を行う必要あり(変動時のピークが180以上の人は危ない)。
変動が大きいということは血圧を上手く調整できていないということ。
血圧変動の大きい冷え性の女性の例
血圧変動チェック法で赤ゾーンだったAさんに24時間血圧測定器を装着してもらった。
寝ているときは血圧135以下(正常範囲内)の時間帯が多いが、起きているときは200以上まで急上昇している箇所があった。
血圧が急上昇したのは掃除機をかけたり、自転車に乗るなど日常のちょとしたことだった。
冷え性の2つのタイプ
冷え性は、1.自律神経が乱れている場合、2.血管が硬くなっている場合の2つある。血管が柔らかければまだ血圧変動の問題はない。
しかし、50歳以上の冷え性には血管の障害が隠れている可能性が高く、血管年齢(血管の硬さや柔らかさを示す目安)を調べてみるのも一つ。
つまり冷え性には「血管の柔らかい場合」と「血管の硬い場合」があるということ。脳梗塞を引き起こす危険な冷え性は、血圧計で簡単に見分けられる。
冷え性と血管年齢
若い人でも冷え性で血管が硬くなっているという研究結果がある。
20代と若くても冷え性の人はそうでない人よりも血管年齢が高い傾向にあり、さらに年齢が上がるにつれてその差は広がっていた。
血管のばしの方法
血管のばしとは「血管を伸ばすことを意識したストレッチ法」。
ポイントは、1.痛くなるまでやらない、2.どの部位の血管を伸ばすかを意識する、3.呼吸を止めないこと。
1.太ももの血管のばし(大腿動脈を伸ばす)
正座になり、膝よりも前に両手をつく。
左足をまっすぐ後ろに伸ばす(このとき腰は曲げずに反らし、顔は正面を向く)。
※反対の足も同様に行う。
2.膝のうらの血管のばし(膝窩(しつか)動脈を伸ばす)
立った状態で軽く一歩前に右足を出す。両手を右膝に乗せて、左足を少し曲げながら、ゆっくり腰を引いていく。
※反対の足も同様に行う。
3.ふくらはぎの血管のばし
正座した状態から右膝を立てる。
両手を膝の上に置いて、左足を軽く開く。
胸を右の太ももの前にくっつけるように前傾していく(このときかかとは地面から離さない)。
体重を掛けすぎないことがポイント。
※反対の足も同様に行う。
4.太ももの血管とふくらはぎの血管の血管のばし
正座の姿勢から、左足を伸ばして、右足のかかとをおしりにつけるポーズ。
※反対の足も同様に行う。
5.太もも裏の血管のばし
仰向けになり、左足を抱えてお腹に近づけるポーズ。
※反対の足も同様に行う。
1~5のポーズを左右30回ずつ、朝・晩に実施する。
足の血管はたくさんの筋肉や血管があるため、下半身の血行を良くすることで全身の血行も良くなる。この方法は即効性があるが、あっという間になくなるため毎日継続することが大切。
なぜ血管のばしで血流が良くなるのか
血管が伸びると、その刺激で血管を柔らかくする物質が出てくる。この物質が血管を広げて血流をアップさせる。
血管のばし3週間チャレンジ
冷え性の人(8人)に3週間、血管のばし法にチャレンジしてもらった。すると全員、冷え性が改善し、血管年齢は1歳~12歳若返った(柔らかくなった)。
冷え性の人の血管は年を取りやすいが、血管のばしによって実年齢に戻ってくる。軽い血圧変動の場合は、血管のばしで改善が期待できる。
冷え性を改善するもう一つの方法
有酸素運動(ジョギング、ウォーキング、水泳、自転車など)は血流をアップさせるため、冷え性の改善に効果がある。
NHK 「ガッテン!」2017年2月8日放送 「つら~い冷え性が改善!血管若返り術」より引用、要約、および台詞等一部書き起こし
この記事を書いた人
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