総評:セコムメディカルリソース(株式会社セコムメディカルリソース)
■ 記事作成日 2014/5/16 ■ 最終更新日 2016/6/2
現在の企業レビュー結果…「B評価」
総評:巨大企業グループのサービスなのに…
警備業界のガリバー・セコムが「社会システム産業」の構築の旗頭のもと、2003年に立ち上げた医療専門の人材紹介会社がセコムメディカルリソースです。セコムグループといえば、現在グループ全体の売上高が8000億円を超えるという日本でも有数の巨大グループ企業になっています。そういう意味ではバックボーンとしては最高のサイトとも言えるのですが、内情はそうでもなさそうです。
全国を対象にしているにも関わらず、何といってもとにかく求人件数が少なすぎます。例えば常勤の求人情報は450件ほど(5月10日現在)、非常勤も250件ほどしかありません。対象が首都圏だけとか、近畿圏だけというのであれば、まだしも、全国でこれではセコム本社の本気度が疑われてもしょうがないでしょう。
実際、サイトもあまり力を入れていないようにも思えます。正直、扱い勝手が悪いというか、使い心地が良くありません。検索条件を入れる際にもほとんどがラジオボタンのみによる選択システムになっているのは良いのですが、その小窓の出し方などにもストレスを感じます。
検索された求人情報には医院の外観の写真などが掲示されるのですが、直接、医師の就労条件と関係が深い情報であるとはいえず、これも警備会社ならではのセンスと言えるかも知れません。現状では特に登録をする必要のないサイトと言えると思います。
会社概要:株式会社セコムメディカルリソース
会社名 | 株式会社メディカルアソシア |
---|---|
設立 | 2003年4月(法人設立は1988年8月) |
代表者 | 代表取締役 布施 達朗 |
資本金 | 1000万円 |
年商 | 4000万円 |
従業員数 | 5名 |
コンサルタント数 | 不明 |
所在地 | 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前一丁目5番1号 |
連絡先 | 03-5775-8956 |
営業拠点 | 2(東京、大阪) |
厚生大臣認可 | 13−ユ−070456 |
医療従事者会員数 | 不明 |
商業登記簿謄本(画像クリックで拡大)
商業登記簿謄本の公開について
商業登記簿謄本は、申請すれば全ての国民が閲覧することができるものであり、インターネット上に公開することに違法性がないことを、法務局・弁護士に確認済みです。ただし代表取締役の住所につきましては、プライバシー保護の観点から、自主的に非公開としています。
業績について
企業調査会社の調査によれば、2011年度、2012年度とも売上高が4000万円と横ばい。セコムグループがバックについていて、本格的に参入する気持ちがあれば、4000万円台で横バイというのは疑問が残ります。また従業員数も5人では、サイトの運営だけで精一杯でコンサルタントの給与などはどうしているのでしょうか?活動実態に非常に疑問符がつく状況です。
まあ、従業員数などはあまり正確に報告していない場合もあるので、確かなことは言えませんが、こうしたデータなどから透けて見えてくるのは、親会社セコムの本気度だろうと思います。親会社があれだけの大手企業で、本当にこの業界に進出しようと考えていれば、創業から10年くらいは倍々ゲームで売上を伸ばしても不思議ではありません。
どうも、「社会システム産業」の構築という旗頭のため、こんなこともしていますよ、できますよというアリバイ(?)作りの子会社であり、そのためのセコムメディカルリソースのように思えてなりません。もしくは医療関連施設のセキュリティ請負に関する「ついでのお仕事」ですね。
普段より警備システム販売営業で、医療機関とは多数お付き合いが有るでしょうから、ただ段にその営業網に乗っかろうとしたという・・・。だけど結果から言うと、今のところその営業網は全く生かされていない様子です。
売上高(H25) | 利益高(H25) | 売上高(H24) | 利益高(H24) |
---|---|---|---|
40百万円 |
不明 |
40百万円 |
不明 |
サービスサイトへのアクセス推移
アクセス状況の全体分析
同社運営サイトへの直近アクセス推移は上記のようになっております(2014年11月12日 SimilarWebにて調査。全体のアクセスデータが不十分で調査結果がでませんでした。つまり、まとまった規模のアクセスが集まっていない医師紹介会社サイト(月間1万PV以下、1日訪問数200名以下)として認識してよいと思われます
アクセス参照元サイト
同社サイトのアクセス流入元サイトは、データ量不足のため解析ができませんでした。
アクセス検索キーワード
同社サイトへのアクセス検索キーワードはデータ量不足のため解析ができませんでした。
求人数だけではなく更新情報もストップ?
前述したように、セコムメディカルリソース全体の求人数も全国規模で展開しているわりには、お粗末そのものです。当然、親会社でのあるセコムは全国の医療機関、それも中核病院以上の大規模病院へ営業的の食い込みは相当あるはずなので、そうした営業的な展開からはもっと基本的な求人数が獲得できていて不思議ないはずです。
医療機関ハウスストという社内リソースを活かしきれていないのか、はたまた、営業力がないのか、「セキュリティ会社のセコムグループさんに医師求人の何がわかる?」といった感じで医療求人は門外漢だとクライアントに思われてしまっている可能性もありますね。
「セキュリティは資材担当(もしくは医療機関の別管理会社というケースも多い)」、「人材は事務長」というように、同じ医療機関でも交渉先がセキュリティ商品と人材紹介サービスでは全く異なるケースもかなり想定されます。
また、セコムメディカルリソースウェブサイトトップ画面の右はじにサイトからの新着情報が掲載されているのですが、それも昨年(2013年)は毎月1~2度更新されていたようですが、今年(2014年)に入ってからは一度も更新されていません。
最終の更新履歴は2013年12月3日です。その内容が「医療機関の登録件数が1000件を超えました」という内容でした。その後、一切の更新情報がないところをみても、サイトに対する本気度が低いように感じてなりません。まさか既に不採算事業として撤退準備に入っているのでは?とも疑いたくなります。
セコムメディカルリソース:企業トップの実像
代表取締役 布施達朗氏
セコムメディカルリソース(株式会社セコムメディカルリソース)代表取締役である布施達朗氏のプロフィールは下記のようになっております(出典:tech-seminar.jp)。
布施達郎氏 経歴
1982年 慶應義塾大学商学部卒業。日本警備保障 (現セコム株式会社入社)
1999年 医療事業部企画部長
2002年 セコム医療システム株式会社取締役
2009年より現職
※写真は「医療産業情報」より引用
尚、布施達朗氏は親会社セコム株式会社の取締役や、グループ会社で在宅医療事業や訪問看護事業等を行うセコム医療システム株式会社の代表取締役も兼任している様子です。
布施達郎氏のブログやTwitter、Facebook等のSNSについては特に見つかりませんでした。
この企業の100社ランキング結果
当研究所が独自で毎年調査している「日本の医師紹介会社TOP100社ランキング調査」において、株式会社セコムメディカルリソース提供の「セコムメディカルリソース」はトップ3ランキング入りできたでのしょうか?結果はこのようになっております。
=該当なし=
残念ながら、「セコムメディカルリソース」のトップランキング入りはどの分野でもありませんでした。また、その他項目を含めたランキング結果一覧は下記のようになっております。
26位(439件) | |
28位(263件) | |
20位(41件) | |
ランキング圏外(不明) | |
22位(81件) | |
37位(0件) | |
13位(17件) | |
18位(55件) | |
29位(2件) | |
11位(6件) | |
25位(12件) | |
32位(0件) | |
21位(0件) | |
20位(15件) | |
33位(0件) | |
21位(0件) | |
25位(2件) | |
27位(0件) | |
19位(0件) | |
15位(70件) | |
28位(48件) | |
51位(検索不可) | |
15位(29件) | |
23位(5件) |
=検索件数集計の注意事項=
- アクティブ求人数不明…これらの理由でランキング対象として集計できない
- 検索不可…条件自体がこの検索できない
- 0件…検索はできるが結果が0件
- ○○検索結果に含まれる…検索結果が別条件設定に含まれて表示されている
- 不明…サイト上に結果表示が存在せず
最終評価判定:あえて当社に登録する理由がない
繰り返しになりますが、セコムグループが本気で資本投下し、医師紹介事業の運営、営業展開をしているのであれば、間違いなく注目のサイトになると思います。今や、中核病院などに限らず小さな診療所レベルでも多くの医院では防犯設備が設置され、病院経営と防犯、防災はきっても切り離せない関係になっているわけで、彼らの営業ネットワーク網は日本全国網の目のように張り巡らされています。そういう意味ではセコムと医療が無関係とはいえず、営業的にはそれなりのメリットはあると考えるのが普通だからです。
にも関わらず、セコムメディカルリソースを見ている限り、そうした「医師事業へ本気で取り組む気概」を感じることがどうしてもできません。登録医療機関が昨年末で1000件を超えたとありますが、セコムの力でいえば、その何倍もの医療機関と提携が結べていても良いはずです。そうしたバックボーンから考えれば異常ともいえる求人数の少なさ。これも致命的といっても良いかも知れません。常勤の求人数が全国で400件程度というのは、セコムの力でいえば、東京都(23区)だけの数字なのではないかと思うくらいです。スポット(アルバイト)に至っては50件足らずというのは、ほとんど何も営業をしていないと言っているのと同じではないでしょうか?
したがって現状ではセコムメディカルリソースに登録をすることは到底積極的にお勧めできません。転職というのは医師に限らず、ともすれば一生の問題です。その一生の問題に対して、大手企業が何をしたいのか分からない参入の仕方をしてくることに違和感を覚えます。現状では、親会社セコムからの号令一下による事業撤退リスクも考慮しておくべきでしょう。
「セコムしていますか?」。これは、CMで有名なセリフですが、いくら国民栄誉賞を授賞した偉大なスポーツマンが口にしようと、医師の人材紹介サイトにおいては、セコム=安全・安心とは言えないようです。
でもどうしても登録したいという医師の方は下記からどうぞ。評価C判定というわけではありませんので、あえて無理して止めはいたしません。
【登録前にお読み下さい】
この会社の登録者の多数は、こちらの会社を同時登録することで優良求人を複数獲得する確率が大幅に向上することが当研究所の調査結果でわかっています。
何故、3社同時登録で優良求人が見つかるのか?
エムスリーキャリアエージェント |
医師転職ドットコム |
【評価B(平均点)】の医師紹介会社
医師転職支援コンサルタント・野村龍一のアドバイス
「可もなく不可もない医師紹介会社です。企業規模にかかわらず、中身は特徴の見当たらない平均点の会社ですので、特に積極的に登録をする理由はあまり見当たりません。求人情報も古かったり内容がはっきりしないケースも目立ちます」