マイナビDoctor（株式会社マイナビ）の評判・口コミ・ランキング

総評：人材最大手企業の力が医師紹介市場ではフルに発揮されていないのが残念

国内の人材情報最大手企業の１つである株式会社マイナビが運営する「マイナビDOCTOR」は、一般人材分野で培ってきたノウハウを活かしてのことでしょう、保有求人情報内容がダイレクトに求職者に伝わる情報密度の高い求人に加え、サイト求人検索機能も充実しており、非常にスッキリしたレイアウトながら、ユーザー医師にとって非常に使いやすいシステムになっています。

公開している医師求人募集は常勤が567件、非常勤が305件、スポット求人が254件。さらに非公開求人も件数だけは公開され常勤が1984件、非常勤が1067件、スポット求人が889件と、驚くほど多くはありません。しかし、件数が多くないことが、逆に管理された生きた情報への信頼性を高める印象効果を生んでいますし、非公開求人数の内訳がきっちりでているのは嬉しい限りです。

シンプルながら使いやすいUI

医師紹介会社の求人検索システムは、他の医療系求人（看護師、薬剤師等）に比べて複雑なシステムになっている企業が多いです。大枠で「常勤」、「定期アルバイト（非常勤）」、「単発アルバイト（スポット）」を求人種類が大別

トップページには、条件を選択するボックスが設けられ、まず上部のタグで常勤、非常勤(アルバイト）、非常勤（スポット）の勤務体系から1つを選びます。常勤を選択すると地域と診療科、希望年収と３つの検索条件が表示されます。さらにボックスの右下にある「さらに詳しい条件で検索する」をクリックすると、一般管理、病棟管理などの仕事内容や医療施設の種別のほか、こだわり検索として年収や勤務体系など27項目の条件が選択できます。見た目はすっきりとシンプルに見えますが、フリーワード検索も備えています。

定期アルバイト（非常勤）、単発アルバイト（スポット）の両方とも、まず地域と診療科の2つの検索条件が表示され、常勤求人の検索時と同じように「さらに詳しい条件で検索する」をクリックすると、定期アルバイトなら曜日、単発アルバイトなら日付など、それぞれの勤務形態にあった絞り込み条件が表示されます。

サイト下部エリアには上のシステムと同じように、常勤、アルバイト、スポットのタグをクリックすることで、それぞれ8件の新着求人が表示され、写真付きで4人のキャリアパートナー（コンサルタント）が紹介されています。所属コンサルタントの実績詳細を知ることができるのは評価できますね。

「マイナビDoctor」のウェブサイトは、シンプルながらも求人検索のユーザビリティが充実していています。基本的な検索条件を絞り込み検索で補強して、フリーワード検索を組み合わせれば、希望に近い求人募集さえあれば、比較的簡単にイメージ通りの求人募集にたどり着ける体制はできています。

インフラは整っているが、求人の鮮度等が不明

人材紹介大手企業なだけに、本社のある東京以外にも大阪、さいたま、横浜、千葉、札幌、名古屋、京都、広島、九州（福岡）と全国10カ所ににオフィスを展開して、営業力にも期待が持てます。中でも首都圏に本社を含めて４つのオフィスを構えて、きめ細かく情報を収集・提供することができるインフラが既に整っているのが特徴です。

その反面、保有している案件の少なさが気になります。組織規模とも釣り合いがとれていませんので、営業に力が入りきれていない気がします。未だに社内的には多数ある新規事業の1つ程度の扱いに抑えられている可能性があります。

また、とても気になるのが医師求人情報の鮮度が全くわからない点。掲載されいている求人情報の登録日や更新日等が一切記述されていないため、本当にその案件が今でも存在しているのかどうかが全く不明です。いくら求人検索結果に好条件の求人募集がアウトプットされてきても、それがアクティブ求人出ない限り、なんの意味もないのは他の評価B等の医師紹介会社と同じです。

AAA評価などの高評価医師紹介会社は、概ねこういった求人情報の鮮度をわかりやすく表示しているのが特徴です。人材大手企業のマイナビなだけに、当然その辺りは抑えているだろうという期待は裏切られてしまいました。残念です。

コンサルタントの経歴詳細がわかるのは好材料

また、大手組織をバックボーンとする医師紹介会社（医師紹介事業）では、効率を追求するため、医療機関の担当と転職希望者の担当が分かれているケースが多く、利用者専任のコンサルタントを固定できずに、希薄になりがちな人間的つながりを不安視する声もあります。

「マイナビDoctor」では、キャリアパートナー紹介のページを設けて、利用者との距離を縮める努力を払っています。そもそも、医師紹介事業を法人独立させているわけではなく、他に沢山ある人材紹介事業との間で力の入れ具合の配分が不明です。

実際にどれぐらいのマイナビ社員が「マイナビDoctor」にかかわっているかは分かりませんが、キャリアパートナーの紹介では、トップページに掲載されている4人を含む5人のキャリアパートナーを掲載。プロフィールやコメントを載せて、人の顔が見える形で大手転職サイトの信頼性をアピールしています。

しかしながら、AAA評価のエムスリーキャリアエージェントが20名以上のコンサルタント詳細を常に表に表示させているのに比べると、「マイナビDoctor」サイト上でこの数では、実態の運営現場もかなり少数のコンサルタントで回している可能性があります。

会社概要：株式会社マイナビ

商業登記簿謄本（画像クリックで拡大）

登録求人数

「マイナビDoctor」の医師求人情報は下記のようになっております。

公開医師求人数（2014年9月1日調査）

※キャリアコンサルタント保有求人と病医院直接応募求人を足した合計数

非公開医師求人数（2014年9月1日調査）

※キャリアコンサルタント保有求人と病医院直接応募求人を足した合計数

業績について

「マイナビDoctor」を運営する株式会社マイナビは業績を公開しております。

サービスサイトへのアクセス推移

アクセス状況の全体分析

同社運営サイトへの直近アクセス推移は上記のようになっております（2014年11月25日 SimilarWebにて調査。全体のアクセスデータが不十分で調査結果がでませんでした。つまり、まとまった規模のアクセスが集まっていない医師紹介会社サイト（月間1万PV以下、1日訪問数200名以下）として認識してよいと思われます

アクセス参照元サイト

同社サイトのアクセス流入元サイトは、運営元企業のマイナビ転職エージェントサーチ（http://mynavi.agentsearch.jp/）および、ウェブ制作会社（http://kyoto.ficc.jp/）からのアクセスがほとんどとなっております。実質、同サイトが製作されて後、参照リンクしている第三者サイトがほとんど存在しない状況のままであるといえるでしょう。全体のアクセス数が増えないのもよくわかります。

アクセス検索キーワード

同社サイトへのアクセス検索キーワードはデータ量不足のため解析ができませんでした。

代表取締役社長　中川信行氏

「マイナビDoctor」を運営する株式会社マイナビ代表取締役社長である中川信行氏の詳細プロフィールはみつかりませんでした。

同社に所属されているコンサルタントの紹介ページが見つかりました（※同社に所属しているコンサルタントの一部《所属確認ができた方のみ表記》です）。

当研究所が独自で毎年調査している「日本の医師紹介会社TOP100社ランキング調査」において、株式会社マイナビ提供の「マイナビDoctor」はトップ３ランキング入りできたでのしょうか？結果はこのようになっております。

残念ながら、「マイナビDoctor」のトップランキング入りはどの分野でもありませんでした。また、その他項目を含めたランキング結果一覧は下記のようになっております（※その理由はこちら）。

資金力組織力のある人材大手インフラを活かしきれていない

マイナビは、1973年に毎日コミュニケーションズとして創業。2011年10月1日より現在の社名とに変更され、就職・転職・進学情報の提供や人材派遣・人材紹介、雑誌・書籍の出版などの事業を展開しています。

資本金は21億円で従業員は約2800人。もともと毎日新聞社の関連会社として設立されたため、現在も本社が毎日新聞社と同じパレスサイドビルディングにあり、世間的には毎日新聞社のグループ企業と認識されることが多いですが、同社に対する毎日新聞社の持株比率は10％を割って、資本的なつながりは薄くなっています。

信用調査会社の調査によると、2013年9月 の売上高は556億4000万円で前年同期を55.4%上回り、利益も29億3500万円で31.8%増加しています。
総合人材情報サイトとして規模拡大を続けるとともに、2012年には新たに「マイナビ賃貸」「マイナビウエディング」といった人材情報以外の分野のサイトを相次いで開設して、さらに幅広い分野に事業を展開しています。

大手の総合人材会社の1事業であるだけに、「マイナビDoctor」は、よく考えられて洗練された使いやすいシステムを作り上げています。過去培ってきた人材紹介事業のノウハウが活かされているのでしょう。

大手の営業力とブランド価値を考えると、求人件数は決して多いとは言えませんが、かえって生きた情報を保有している印象を与えます。むしろ規模が小さい転職サイトが採用する写真付きのキャリアパートナーの紹介などで、サイトと利用者の距離感を縮め、サイトの信頼性を高めています。

Googlで「マイナビDoctor」を検索すると、「利用者の96.3%が満足と答えた日本最大級の医者転職サービス」とやや大げさに表現されています。サイトは色使いも控えめで、むしろインパクトに欠ける印象ですが、システムはしっかりとしていて、総合人材会社大手のノウハウを生かして手ぬかりなく要所を抑えている感じがします。「マイナビDoctor」には、少し大げさな表現をされても、思わずう納得してしまう要素を備えています。

それだけに、実際に掲載されている医師求人募集の鮮度がアクティブかどうかわからないのは痛いです。今どき、いくら求人数が好条件でも、全体の保有数がおおくても、その求人自体が実際に応募可能なものなのかどうかという大事なポイントが不明瞭ですと、ユーザーの立場に立つ我々としては高評価を与えづらいのが実際です。とにかく残念ですね。

現状では上記課題が解消されるまでB評価が相対評価としては適当でしょう。

この記事を書いた人

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