総評:ドクターズNEXT(株式会社ネオキャリア)
■ 記事作成日 2014/6/5 ■ 最終更新日 2016/6/5
現在の企業レビュー結果…「B評価」
総評:医師紹介会社サイトとしての機能が薄い
ドクターズNEXTには医師専門の転職、求人サイトに必須とされる検索機能やバックアップしてくれるコンサルタント等の情報がほとんど備わっていません。サイトに訪問すると「なにか知りたければ、まずはとにかく個人情報を登録してください」と無理難題を初っ端から突きつけてくるタイプの医師紹介会社です。
運営会社である株式会社ネオキャリアは創業が2000年11月とまだ16年足らずの企業ですが、同社のWebサイトによるとグループ全体で2013年度の売上高が118億円で前年比162%とここ数年で急成長を遂げている人材派遣会社です。ITを活用した中途採用支援、人材紹介、派遣業からスタートし、年々業務を拡大し、数年前から同サイトを運営するに至りました。
そういう意味では採用、人材紹介の企業としてはそれなりの実績がある企業だとはいえますが、医師の転職に対してどこまでの専門性を有しているのかは不明です。その割には、運営している「ドクターズNEXT」というサイトにおいては、かなり乱暴というか利用者に対して不親切なイメージを受けるのは我々だけでしょうか?
医師求人の検索機能が備わっておらず、当然のことながら保有している求人件数も明らかにしていません。また、コンサルタントに対する情報も全くなく、ただ単に登録だけを迫るというサイトのあり方は不信感と違和感だけを強烈に覚えます。このスタイルの医師紹介会社に登録を奨める理由は殆どみつかりません。まずは医師紹介会社の方から、求人情報の検索なり、所属コンサルタントの経歴実績なりを先に公開してから、その後に「では医師先生もご登録を…」と流れるのが順番としては適切ではないでしょうか?
実情は、大した量の医師求人情報を保有しておらず、医療機関への営業開拓力も弱いがために、あえて検索機能などを削除している可能性は多いにありそうです。
会社概要:株式会社ネオキャリア
会社名 | 株式会社ネオキャリア |
---|---|
サービス名 | ドクターズNEXT |
設立 | 2000年11月 |
代表者 | 代表取締役 西澤亮一 |
資本金 | 84,754,000円 |
年商 | 30億円(2012年9月期) |
従業員数 | 160名 |
コンサルタント数 | 不明 |
所在地 | 〒160-0023 東京都新宿区西新宿1―22―2 |
連絡先 | 03-5908-8005 |
営業拠点 | 23 (東京、大阪、札幌、仙台、千葉、川崎、横浜、名古屋、京都、神戸、小倉、福岡、シンガポール、タイ、中国、インドネシア、フィリピン) |
厚生大臣認可 | 13-ュ-070309 |
医療従事者会員数 | 不明 |
商業登記簿謄本(画像クリックで拡大)
商業登記簿謄本の公開について
商業登記簿謄本は、申請すれば全ての国民が閲覧することができるものであり、インターネット上に公開することに違法性がないことを、法務局・弁護士に確認済みです。ただし代表取締役の住所につきましては、プライバシー保護の観点から、自主的に非公開としています。
業績について
運営元の株式会社ネオキャリアはここ数年、海外にも現地法人を構えるなど、現在10を超えるグループ企業になっています。グループ全体で売上高が118億円、従業員数が1029人(いずれも同社Webサイトによる)とかなり大きな規模にまで成長しています。そういう意味では当然それなりの企業としての信用度はあると思いますが、医療関係でいえば、2011年に看護師紹介事業をスタートさせ、翌2012年から医師の紹介事業に業務拡大したばかりの段階です。
つまり、医師の転職・人材紹介業に関してはまだ3年足らずの実績しかなく、その間にどこまでの範囲の医療機関に営業的に食い込めているかは不透明といわざるを得ません。人材紹介会社としての総合的な評価はできても、医師紹介会社の評価という視点に絞り込むと、今のところは高評価を与える材料に乏しいのは否めません。
売上高(H24) | 利益高(H24) | 売上高(H23) | 利益高(H23) |
---|---|---|---|
3,000百万円 |
非公開 |
2,500百万円 |
非公開 |
*同社のWebサイトのグループ全体の売上高としては、2011年度39億円、2012年度73億円、2013年度118億円となっています。
サービスサイトへのアクセス推移
アクセス状況の全体分析
同社運営サイトへの直近アクセス推移は上記のようになっております(2014年11月12日 SimilarWebにて調査。全体のアクセスデータは月間45000PV前後で医師紹介会社としてはトップクラスですが、一般サラリーマン、OLを含めた転職者、派遣社員を含めた支援サービス総合のアクセス数になります。純粋な医師紹介サービスのみですと、上記よりは相当少ないアクセス数になるかと思います。
アクセス参照元サイト
同社サイトのアクセス流入元サイトはかなり多岐に渡っています。多くは同社の提携先サイトのようです。
アクセス検索キーワード
同社サイトへのアクセス検索キーワードは「ネオキャリア」という、同社名が多くを占めています。Googleアドワーズ等のPaidKeywordからの流入は確認できませんでした。
ドクターズNEXT:企業トップの実像
代表取締役 西澤亮一氏
ドクターズNEXT(株式会社ネオキャリア)代表取締役である西澤亮一氏の詳細プロフィールは下記のとおりです。尚、菊池等氏はブログ、Facebookを活用しているようです。
西澤氏は20代で会社を起こしてからあれよあれよという間に、株式会社ネオキャリアを成長させた有望若手社長のようです。今後、医師紹介事業についてどのように成長させていくのか、その手腕を見守りたいと思います。
プロフィール
- 1978年生まれ、北海道出身。
- 2000年3月、日本大学商学部卒業。同年4月、新卒で投資会社へ入社。
- 同年11月、同期新卒9名で株式会社ネオキャリアを設立。取締役に就任。
- 設立後1年半で赤字4000万円、一時倒産の危機を迎える。
- 2002年、西澤を代表取締役として会社を建て直すことに。
- 就任後より短月黒字化を維持、1年半後には、累積債務を解消。
- 存続の危機を乗り越え、以降、売上、社員数共に成長を遂げてきた。
- 現在は、「成長し続ける」という全社で掲げる思想の下、「人材・IT・グローバル」領域にて、世界を代表するサービスカンパニーの実現を目指す。
- 近年よりスタートした海外事業では、人材紹介事業を中心にシンガポール他アジア5拠点へ展開。
- 世界最大級の起業家組織「Entrepreneurs Organization(起業家機構)」に加盟するEO Japanでは、2012年7月より第17期会長を務めあげた。
また、下記のサイトでは西澤社長のインタビュー記事が短文ながら閲覧することができますので、登録を考えている医師の方は併せて参考にしておきたいところです。
この企業の100社ランキング結果
当研究所が独自で毎年調査している「日本の医師紹介会社TOP100社ランキング調査」において、株式会社ネオキャリア提供の「ドクターズNEXT」はトップ3ランキング入りできたでのしょうか?結果はこのようになっております。
=該当なし=
残念ながら、「ドクターズNEXT」のトップランキング入りはどの分野でもありませんでした。また、その他項目を含めたランキング結果一覧は下記のようになっております。
ランキング外(検索不可) | |
ランキング外(検索不可) | |
ランキング外(検索不可) | |
ランキング外(検索不可) | |
ランキング外(検索不可) | |
ランキング外(検索不可) | |
ランキング外(検索不可) | |
ランキング外(検索不可) | |
ランキング外(検索不可) | |
ランキング外(検索不可) | |
ランキング外(検索不可) | |
ランキング外(検索不可) | |
ランキング外(検索不可) | |
ランキング外(検索不可) | |
ランキング外(検索不可) | |
ランキング外(検索不可) | |
ランキング外(検索不可) | |
ランキング外(検索不可) | |
ランキング外(検索不可) | |
ランキング外(検索不可) | |
ランキング外(検索不可) | |
ランキング外(検索不可) | |
ランキング外(検索不可) | |
ランキング外(検索不可) |
=検索件数集計の注意事項=
- アクティブ求人数不明…これらの理由でランキング対象として集計できない
- 検索不可…条件自体がこの検索できない
- 0件…検索はできるが結果が0件
- ○○検索結果に含まれる…検索結果が別条件設定に含まれて表示されている
- 不明…サイト上に結果表示が存在せず
最終評価判定:せめて登録前に求人検索を…
転職を考えている医師にとって、具体的な求人情報も得られない段階で「まずは貴方の個人情報を差し出しなさい」という医師紹介会社の態度はどう映るでしょうか。非公開求人のカテゴリーがあってもいいので、せめて一定量の具体的な求人情報を最初の公開・検索可能にしてこそ、個人情報の登録を医師に迫れるのではないでしょうか。
株式会社ネオキャリアが運営するドクターズNEXT最大の欠点は、医師求人情報がサイトからはまるで分からないことです。これはまずまちがいなく医師紹介会社致命的な欠点です。そこにはユーザー視点は不在です。
一般的に医師の転職支援の場合、ほとんどが所属コンサルタントを通して、具体的な支援工程が進むわけですから、医師が自身の個人情報を登録するときに、詳細な就業条件等の希望を伝え、その条件に合致する転職先医療機関を、医師紹介会社の方で用意できさえすれば、登録順序などのプロセスや医師求人情報検索システムの有無は関係はないという考え方はあると思います。
それでも、初めての医師紹介会社を利用する医師側からみれば、大体どんな求人情報があるのかということは少なくとも最初の段階で知りたいと思うのが当たり前の気持ちです。それを無視するかのような情報提供順序の運営スタイルは、やはり我々は好感を持てません。
医師専門の紹介会社に関していえば、幾つかの評価の基準があると思います。
一つは単純に求人件数が多いこと。
これは言うまでもなく、求人件数が多いということは、それだけ選択の余地が増えるわけですから、転職を希望する医師の条件に見合う求人がある可能性が高くなるわけです(当然、求人情報の質そのものも含まれますが)。
2つ目はコンサルタントの能力が高いこと。
医師の転職が他の職種と一番違うところは、ここだと思います。一般の職種であれば、ヘッドハンティングのような場合を除けば、コンサルタント(エージェント)が仲介することはあまりないと思いますが、医師のように転職に際して、様々な問題が含まれる職種においては、むしろコンサルタント抜きにはなかなかスムーズにはいかないと思われます。したがって、このようなサイトにおいてもコンサルタントの情報というのは、本来求人情報と同じくらい重要な意味を持つと思われます(加えて、AAA評価のエムスリーキャリアエージェントや、医師転職ドットコムのように、組織力でコンサル個人能力をカバーする方法もありえます)。
3つ目が医師紹介会社の信頼度(ブランド力)です。
一般的に考えて、医師紹介会社の組織や親企業が(BtoB事業に従事している等の理由で)何をしているのか表から見えづらい会社の場合、大切な個人情報、ましてや転職を考えていると周囲に知られたくない医師にとっては、登録を行うまでの信頼をイージーに寄せる事は難しいです。
既にブランド力や信頼度が固まっている大手の医師紹介会社であれば、最低限のコンプライアンスや情報セキュリティ保守や一般モラル、そして医師紹介支援のサービスクオリティは担保されるものだろうと、最初から登録する医師に考えていただくことができています。
残念ですが株式会社ネオキャリアは、事業自体が急成長しているとはいえ、まだまだ高一般認知があるブランド力や医師転職支援業界の中でのトップリーダーとはなりえていません。その段階で「とにかくまずは我々を信頼して個人情報をよこせ」というのは難しい相談です。
こうした考えに立った場合、このドクターNEXTというサイトはあまり評価しずらくなるのです。運営会社である株式会社ネオキャリアは好業績をあげ、急成長を遂げている企業だとしても、運営されているドクターズNEXTというサイトを評価するわけにはいきません。求人件数は明示されていませんし、コンサルタントの情報も具体的には何もありません。
もう少し利用者側の意識とか見方を考えたサイトの運営をして欲しいと切に願いたいものです。サイトの内容が変化すれば当然評価も変わると思いますが、現状では、当研究所が積極的に登録を勧めることはなかなか難しい状況です。
よって、株式会社ネオキャリアはが運営するドクターズNEXTはB評価とさせていただきます。
【登録前にお読み下さい】
この会社の登録者の多数は、こちらの会社を同時登録することで優良求人を複数獲得する確率が大幅に向上することが当研究所の調査結果でわかっています。
何故、3社同時登録で優良求人が見つかるのか?
エムスリーキャリアエージェント |
医師転職ドットコム |
【評価B(平均点)】の医師紹介会社
医師転職支援コンサルタント・野村龍一のアドバイス
「可もなく不可もない医師紹介会社です。企業規模にかかわらず、中身は特徴の見当たらない平均点の会社ですので、特に積極的に登録をする理由はあまり見当たりません。求人情報も古かったり内容がはっきりしないケースも目立ちます」