MHP（株式会社MHP）の評判・口コミ・ランキング

総評：保有案件も少なく求人検索システムも心もとない

株式会社MHPが運営する医師求人紹介サービス「MHP」は、近畿を中心に医師だけでなく、看護師、薬剤師など、医療系人材の派遣・求人紹介を行っています。公開されている医師の求人募集は常勤88件、非常勤7件と比較対象とするには非常に数が少なく、求人サイトのクオリティひとつとってみても、競合他社と比較すると頼りなさは拭えません。

一般的に医師専門求人サイトは、就業形態、専門診療科、取得資格、就労条件などで絞り込み条件が細かく設定する必要があり、看護師、薬剤師、他コメディカルの求人サイトとは全く異なったシステムが必要になります。MHP公式求人サイトでは医師、看護師、薬剤師の求人情報が同居しており、医師専門求人サイトと比較すると、使い勝手に難ありとの印象は拭えません。

そもそもの保有求人数があまりに少ないので、公開されている求人情報の中から、一見のユーザーが魅力的な求人票先を見つけるのが非常に困難です。MHPの求人検索は、希望する雇用形態、勤務地、業態のみで絞込選択して検索をかけるシステムになっておりますが、求人母数の少なさが原因で、絞りこむと検索結果にの数は更に壊滅的に減ってしまいます。

勤務地の選択は滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良の近畿地方が上位に表示され関西中心のサービス提供を行っているようです。日本全国での就業エリア選択肢は14都道府県にとどまっています。

求人募集のない都道府県まで「一応」選択肢を表示する医師紹介会社も多い中（一部ではダミー求人を表示する医師紹介会社もめずらしくありません）、保有案件がない都道府県については選択肢そのものを表示しないのはむしろ正直で潔い印象を持ちました。

フリーワード検索は殆ど役立たない

MHPの求人検索機能にはフリーワード検索がついています。

試しに医師紹介会社サイトでしばしばピックアップされる絞込項目である「年収2000万円以上」「当直なし」などのワードを記入して検索してみましたが、残念ながら1件もヒットしませんでした。「年収1200万円以上」と条件を下げて検索してみても、結果は同じでした。やはり検索できる求人募集の数自体が少ないので、フリーワードによる結果が出ないのかもしれません。

エージェントを紹介している点に好印象

MHPサイトでは医師・看護師・薬剤師のそれぞれのページでエージェントが写真付きで紹介され、利用者に安心感を与えています。恐らく「離職リスク」を考えてのことでしょうが、個別エージェントを紹介しない医師紹介会社が多い中、とても好印象を持ちました。

医師支援サービスページにて紹介されているエージェントは取締役の高橋昭美氏含めて全員で4人と、この規模の医師紹介会社としてはまあまあ充実していて、（サイト上での印象はともかく）実務人員体制は整っている可能性があります。ただし、医師転職専任のエージェントは見当たらず、看護師や薬剤師の転職支援と兼任の可能性が高そうです。医師専任エージェント部隊や部署を置く競合大手他社に比べると、どうしても見劣りしてしまうのが残念です。

会社概要：株式会社MHP

商業登記簿謄本（画像クリックで拡大）

登録求人数

「MHP」の医師求人情報は下記のようになっております。

公開医師求人数（2014年10月1日調査）

※キャリアコンサルタント保有求人と病医院直接応募求人を足した合計数

非公開医師求人数（2014年10月1日調査）

※キャリアコンサルタント保有求人と病医院直接応募求人を足した合計数

業績について

「MHP」を運営する株式会社MHPは業績を公開しておりません。

サービスサイトへのアクセス推移

アクセス状況の全体分析

同社運営サイトへの直近アクセス推移は上記のようになっております（2014年11月25日 SimilarWebにて調査。全体のアクセスデータが不十分で調査結果がでませんでした。つまり、まとまった規模のアクセスが集まっていない医師紹介会社サイト（月間1万PV以下、1日訪問数200名以下）として認識してよいと思われます

アクセス参照元サイト

同社サイトのアクセス流入元サイトは、データ量不足のため解析ができませんでした。

アクセス検索キーワード

同社サイトへのアクセス検索キーワードはデータ量不足のため解析ができませんでした。

代表取締役　石津勝氏

「MHP」を運営する株式会社MHP代表取締役である石津勝氏の詳細プロフィールはみつかりませんでした。

同社に所属されているコンサルタントの紹介ページが見つかりました（※同社に所属しているコンサルタントの一部《所属確認ができた方のみ表記》です）。ただし、それぞれ顔写真と名前のみの掲載であり、過去の医師紹介実績や経歴などは一切不明です。

当研究所が独自で毎年調査している「日本の医師紹介会社TOP100社ランキング調査」において、株式会社MHP提供の「MHP」はトップ３ランキング入りできたでのしょうか？結果はこのようになっております。

残念ながら、「MHP」のトップランキング入りはどの分野でもありませんでした。また、その他項目を含めたランキング結果一覧は下記のようになっております。

情報公開の姿勢は評価できるものの…

株式会社MHPの前身である株式会社メディカルヒューマンプロデュースは2006年に設立。2008年に前会社名の頭文字をとって現在の社名「株式会社MHP」に変更登記されました。

資本金は1000万円。企業信用調査会社に同社の企業活動のデータは存在しませんでえした。登記簿上の企業目的は、労働者派遣、有料人材紹介、人材育成のための教育プログラムの企画実施などとなっています。

同社公式サイト内の事業内容を見ると、図を使った事業内容の説明や基本理念のほかに、2013年の派遣情報が報告されています。これによると、派遣労働者の数は21、派遣先の数は16と決して多くはありません。

マージン率は35.7％、労働者派遣に関する料金額の平均額は2万7005円、派遣労働者の賃金額の平均額1万7358円と数字が明示され、少なくても派遣先にとっては、安心できる情報が並んでいます。

ただし残念ながらこれらの情報は看護師や薬剤師の派遣に関するデータのようで、医師紹介に関するデータの公開は全くありません。折角情報公開に積極的な姿勢を見せて頂いているのですから、医師紹介実績に関しても詳しいデータがほしいです。というよりは、データ公開するほどの医師紹介実績がないとみるのが正しそうです。

医師の転職支援専門でないディスアドバンテージは大きい

医師が転職を考える場合、情報量の多い大手の医師紹介会社と小回りが利き、エージェントの力を生かした中小の医師紹介会社を組み合わせるのが定石です。

大手の医師紹介会社は、抱えている求人情報量が多く、求人検索機能や広範囲な医療機関との人的ネットワークなどが充実しているため、幅広い情報が効率よく利用できます。

しかし、医療機関から求人情報を集める担当者と、登録医師に直接対応する担当者が異なるケースも多く、社内での情報のすれ違いや、社内的な利害軋轢からくる人材ミスマッチの発生が時折見られます。

一方、エージェントの個人技を生かした小規模な医師紹介会社では、医療機関担当が転職希望医師に兼務対応することが多く、個人の事情や希望が医療機関にストレートに伝わりやすく、きめ細かく対応で好結果につながるといったメリットがも考えられます。

反面、忙しい医師の場合は、小規模医師紹介会社の「丹念すぎる」ヒアリングを煩わしく感じるケースもあります。小規模な医師紹介会社は社内に蓄積している情報量が少ない分、求人先選択肢の幅が狭くなり、結果として転職に時間がかかる傾向があります。

要は適度なバランスが重要であり、そのリスクヘッジのために複数の医師紹介会社で並行作業をしてもらうことを当研究所ではおすすめしているわけです。

企業規模から考えるとMHPは明らかに「小規模な医師紹介会社」の部類に区分けされるでしょうが、実際に、医師が登録するに値する戦力を披露していただけるのでしょうか？結果から言うと、かなりそれは難しいかもしれません。その主たる理由としては、医師転職への専門性のなさからきます。

MHP株式会社のメディカル転職サポートは看護師を念頭に構築運営されているものであると推測されます。同社の取締役である高橋昭美氏が、看護部門責任者を兼任しながら、ウェブサイト上等資料では社長の石津氏よりも前面にでていることから、看護紹介事業への力の入れ方が伺えます。

同社の求人検索機能は必要十分とは言えず、公開求人募集数にしても実務上圧倒的に足りていないのはさておいたとしても、事業リソースの注ぎ方が看護師紹介事業と比較して、医師紹介事業には少ないのが予想されます。どうしても医師への紹介事業に専門特化している競合他社と相対比較すると、同社のディスアドバンテージが目立ってしまう結果になります。

MHPは関西地区を中心にエージェントのパーソナリティーと誠実さを生かしたメディカル系人材紹介会社としてここまで業務に取り組んできた印象は受けます。もし当サイトが「看護師紹介企業の批評・比較検討サイト」であったならば、勤務地区を関西限定で、同社を選択肢のひとつに加えてもいいと判断したでしょう。しかし、医師紹介事業においては、MHPでは力不足と判断するしかなさそうです。

現状のMHP医師紹介事業ではB評価とさせていただきます。

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