医師転職navi（株式会社アプト）の評判・口コミ・ランキング

総評：常勤オンリーの利用がベスト

株式会社アプトが運営する「医師転職navi」は、「関東の求人に強い」とサイト上で主張する医師紹介会社ですが、同社の保有求人数を調査してみると、関東圏の求人件数は全体のほぼ半分であり、とりわけ比率的に多いわけではないようです。

首都圏の医師紹介会社業界は、業界最大手も入り混じっての競争が激しい地域なのはいうまでもありません。ということは、関東中心というコンセプトはに「≒業界最大手の意味」を持ちます。果たして、株式会社アプトの運営する「医師転職navi」は業界最大手といえるのでしょうか。実際はかなり役者不足の感が拭えない印象です。

公開している求人募集数は常勤1772件。それに対して非常勤求人数はわずか7件。ほぼ常勤のみの求人情報で、非常勤やスポット狙いの医師が「医師転職navi」を利用する必要はまずないでしょう。

「医師転職navi」の公式サイトは、トップに関東一都六県の地図からビジュアルクリックで求人を探せるようになっています。さらに46項目の診療科目で検索ができますが、その他にも「病床数」で求人検索ができるのは面白い試みだと思いました。ただし、医師が転職候補先を病床数オンリーで選ぶかというと少々微妙なズレを感じます。

給与や診療科などの基本就労条件が諸処整った最後の情報として病床数があるような気がしますがどうでしょうか。

「条件を指定して探す」には勤務地、募集科目のほかに、病床数、病床種別、当直や救急指定の有無があります。フリーワードによる求人検索窓を設けていますが、「年収2000万円以上」「年収1500万円以上」「年収1000万円以上」と、年収による条件を金額を下げながら入力しても1件もヒットしませんでした。

同社の求人検索システムではあまり給与体系については重要視していない様子です（それって転職サイトとしてはどうなのでしょうか・・・）。

非常勤求人のページには、最上部のナビからアクセスできますが、検索機能はまったくなく、求人募集が羅列されているだけです。非常勤の求人件数があまりにも少ないので（2014年9月現在で7件）、現状では検索機能の必要性自体があまり意味をなしていなさそうです。

非常勤求人のこの「薄さ」を目にしてしまうと、やはり「医師転職navi」は常勤転職のみに事業リソースを絞り込んでいると思わざるをえないでしょう。もしくは、運営会社の本業である医院開業コンサル（不動産斡旋含む）の方が事業として重要度が高く、あまり医師転職支援事業に力を入れていない可能性もありそうです。

会社概要：株式会社アプト

商業登記簿謄本（画像クリックで拡大）

登録求人数

「医師転職navi」の医師求人情報は下記のようになっております。

公開医師求人数（2014年10月1日調査）

※キャリアコンサルタント保有求人と病医院直接応募求人を足した合計数

非公開医師求人数（2014年10月1日調査）

※キャリアコンサルタント保有求人と病医院直接応募求人を足した合計数

業績について

「医師転職navi」を運営する株式会社アプトは業績を公開しておりません。

サービスサイトへのアクセス推移

アクセス状況の全体分析

同社運営サイトへの直近アクセス推移は上記のようになっております（2014年11月25日 SimilarWebにて調査。全体のアクセスデータが不十分で調査結果がでませんでした。つまり、まとまった規模のアクセスが集まっていない医師紹介会社サイト（月間1万PV以下、1日訪問数200名以下）として認識してよいと思われます

アクセス参照元サイト

同社サイトのアクセス流入元サイトは、データ量不足のため解析ができませんでした。

アクセス検索キーワード

同社サイトへのアクセス検索キーワードはデータ量不足のため解析ができませんでした。

代表取締役　稲見光之氏

「医師転職navi」を運営する株式会社アプト代表取締役である稲見光之氏の詳細プロフィールはみつかりませんでした。

同社に所属されているコンサルタントの紹介ページはみつかりませんでした。

当研究所が独自で毎年調査している「日本の医師紹介会社TOP100社ランキング調査」において、株式会社アプト提供の「医師転職navi」はトップ３ランキング入りできたでのしょうか？結果はこのようになっております。

残念ながら、「医師転職navi」のトップランキング入りはどの分野でもありませんでした。また、その他項目を含めたランキング結果一覧は下記のようになっております。

開業支援への橋渡し事業？

株式会社アプトは2010年に資本金800万円で設立され、翌2011年に医師転職支援サービスの「医師転職navi」、薬剤師転職支援サービスの「薬剤師転職navi」を開設、さらに2012年にはクリニック開業コンサルサイトの「医師開院navi」も設けています。医師紹介事業は、クリニック開業支援への橋渡し存在の可能性もあります。

2013年には資本金を1800万円に増資。医療系の人材紹介のほか、医療モールの企画や運営にも取り組んでいます。

稲見光之代表取締役は、「薬剤師navi」のキャリアコンサルタント紹介で「薬剤師専門の転職コンサルタントになって10年以上。これまでに2000人以上の薬剤師の方々と接してきました」という自己紹介を掲載しています。薬剤師転職支援サービスの実績で医療系の業界とのパイプをつくり、医師職業紹介事業に進出したパターンのようです。

企業信用調査会社はアプトの企業活動のデータは存在しておりません。

同社ウェブサイトによると、アプトとはラテン語で「適合させる」、「調整する」、「準備する」、「ふさわしくする」、「合わせる」などを意味する単語で、会社設立の理念では「医療機関と医療従事者を調整することで双方にとって満足のいく関係構築をお手伝いしたいという私たちの熱い思いが込められています」と、社名の由来を説明しています。

ウェブサイトには、すでに開設されているサービスのほかにも、看護師の採用・支援サービスと薬局開局支援サービスの項目が設けられていますが、まだ機能していません（2014年9月1日現在）。

「関東」を強みにして、激化する競争に生き残れるか

医師紹介会社は、研修医制度が大きく変わった2004年を境に急激に数を増やしました。株式会社アプトは2010年に開設された、こういった後発グループの医師紹介会社に属します。

制度改革直後の混乱にも似た状況は沈静化する方向にあり、大手をはじめ、実績を積んできた業界との隙間に参入するには、特定のカテゴリーへの集中や検索システムの充実など何らかの特徴を持たなければ苦しい状態です。医師紹介業界の競争は日々激化しており、大手企業ほど更に激しくなるだろう今後の生き残り策にシビアになっています。

「医師転職navi」は「医師転職支援のプロがサポート」「安定して働ける医療機関を紹介」という、いわば“ありがち”なコンセプトに加え、「関東の求人に強い」という非常に苦しいポジショニング戦略を取っています。

公開している求人結果を見ると、関東1都7県の求人は全体の50％強。中国・四国と九州・沖縄エリアの求人情報は少ないのは当然として、桁違いで関東に強いという感じを受けないことは既に述べました。

「薬剤師転職navi」のサイト上でも「医師転職navi」同じフレーズが使われているので、薬剤師の人材紹介事業では効果がある表現なのかもしれませんが、かえって凡庸なサイトの印象が強調される結果しかもたらさない気がします。

身も蓋もない話ですが、Ｇｏｏｇｌｅで「関東」「医師求人」のワードを入力しても上位にアプトのサイトが表示されないので、関東の医師求人に興味を持った利用者が、「医師転職navi」にたどりつく可能性はかなり低いと思います。どこまで「関東」ポジショニングで同社が戦っていけるか、引き続きウォッチングしていこうと思います。

現状の「医師転職navi」はB評価が適当でしょう。

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