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【医療ニュースPickUp】2014年12月11日
医療にまつわる気になるニュースを当研究所独自の目線で掘り下げて記事にしている「医療ニュースPickUp】。このコーナーでは、まだ大手マスメディアが報道していない医療ニュースや、これから報道が始まるだろう時事的医療ニューストピックを、どこよりも半歩素早く取材・記事化していくコーナーです。
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感染性胃腸炎の流行シーズン突入への準備を 定点あたり報告数は7を超過
国立感染症研究所(以下NIID)が公表した「2014年第47週(11月17日〜11月23日)によると、全国各地で感染性胃腸炎の流行はすでに始まっている。
定点あたりの報告数は2週連続で増加しており、ワースト3は、大分県(19.58)、香川県(15.10)、福岡県(14.28)となり、全国の統計では7.42となっている。
この週の定点観測疾患の報告数では断トツ1位となっており、A群溶血性連鎖球菌咽頭炎(2.49)、水痘(1.10)と続く。インフルエンザは既に流行開始が報道されているが、患者数だけをみると、感染性胃腸炎の方がはるかに多いことが分かる。
過去5年間の同時期と比較すると、-0.25となっており、ここ数年の中では比較的遅い流行シーズンへの突入かもしれない。
過去10年間の統計でも、定点あたりの報告数が5を超えたのは2006年の43週が最も早く、2009年の51週が最も遅かった。今シーズンは46週あたりで5を超えているので、平均的ともいえる。
東京都の報告数等をみると、小児科における感染性胃腸炎の報告数は、45週で1,195、46週で1,668、47週で2,202、48週で2,301となっており、3週間で2倍以上に増えていることになる。
定点あたりの報告数は8.78となっており、全国平均よりも高い。
感染性胃腸炎の原因として問題となるのは、乳児や小児ではロタウイルス、学童以降の成人ではノロウイルスであることが多い。
厚生労働省の資料によると、ノロウイルスによる感染症については、昨シーズンの定点報告数は合計1,071,415人で、そのうち2,509人が死亡している。
NIIDが公表している病原微生物検出情報によると、今シーズンは47週でNoro-genogroup T、Sapo、Noro-genogroup unknownの順で検出件数が高い。
一方のロタウイルスは、43週までは検出報告もあったようだが、昨シーズンの同時期に比べると検出される時期がずれている。昨シーズンは48週ごろから検出数が増加傾向となり、春ごろのピークまでこの傾向が続いていた。
参考資料
東京都感染症情報センター 感染性胃腸炎の流行状況(東京都 2014-2015年シーズン)
http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/gastro/gastro/
IDWR 感染省週報 2014年第47週(11月17日〜11月23日):通巻第16巻第47号
http://www0.nih.go.jp/niid/idsc/idwr/IDWR2014/idwr2014-47.pdf
国立感染省研究所 感染性胃腸炎とは
http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/383-intestinal-intro.html
同上 ノロウイルス感染症とは
http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/na/norovirus.html
TOKYO IDWR 東京都感染症週報 平成26(2014)年12月4日発行(11月24日〜11月30日)
http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/assets/weekly/2014/48.pdf
厚生労働省 ノロウイルスに関するQ&A
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html
同上 ロタウイルスに関するQ&A
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/Rotavirus/
IDDR 速報グラフ 検出されたSRSVの内訳、2010/11〜2014/15シーズン
https://nesid3g.mhlw.go.jp/Byogentai/Pdf/data11j.pdf
同上 検出されたロタウイルスの内訳、2010/11〜2014/15シーズン
https://nesid3g.mhlw.go.jp/Byogentai/Pdf/data13j.pdf
IASR 胃腸炎関連カリシウイルス(ノロウイルス、サポウイルス)総論
http://idsc.nih.go.jp/iasr/24/286/dj2862.html
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