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【医療ニュースPickUp】2014年12月25日
医療にまつわる気になるニュースを当研究所独自の目線で掘り下げて記事にしている「医療ニュースPickUp】。このコーナーでは、まだ大手マスメディアが報道していない医療ニュースや、これから報道が始まるだろう時事的医療ニューストピックを、どこよりも半歩素早く取材・記事化していくコーナーです。
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医療ミスにより高齢患者の心肺停止 看護師による輸液ポンプ誤操作が原因
山梨大学医学部付属病院(山梨県 病院長:島田真路)で2014年12月13日、看護師の医療ミスにより高齢女性患者が心肺停止状態に陥っていたことが分かった。患者は現在も意識不明であるという。
病院側の発表によると、13日の午前5時40分ごろ、担当の看護師が高齢女性患者の申し出により点滴投与中の鎮痛剤投与を中止しようとした。その際、輸液ポンプの回路を外したが、鎮痛剤が流れている回路を遮断しなかったため、大量の鎮痛剤が静脈内に流入したという。
この看護師は10分後に異変に気付いたが、その時点ではすでに400μgの鎮痛剤が、高齢女性患者に投与された状態となり、すでに心肺停止状態にあった。輸液ポンプの設定では、1時間あたり2μgが投与されることになっており、設定のおよそ200倍が投与されたことになる。
実際に使用された鎮痛剤が何なのかは公表されていないが、多量に人体へ投与されると、呼吸抑制が起こり、最悪の場合は死至るという。
今回の事態は、看護師が「薬液が流れない状態(回路を遮断した状態)にしたと思っていた」という、いわば思い込みにより発生した医療ミスといえる。病院側では今後、患者家族へのお詫びとともに、院内の医療マニュアルの見直しなどの再発防止策を強化するとしている。
今回のような、医療者の「思い込み」や「勘違い」などによる医療事故は、時折発生している。
例えば、2014年10月には、静岡県内の病院で、入院中の高齢女性患者に対し、本来は希釈して投与するはずの薬剤をそのまま投与するという誤投与により、患者が死亡している。この薬剤は利尿剤の副作用を補う効果のあるカリウム製剤であり、これが直接的な原因となり、患者は間もなく死亡した。
また、2014年11月には、広島県内の病院で、末期がんの高齢男性患者に処方の2倍量のモルヒネをおよそ6時間にわたって投与し、翌日に患者が死亡した。
この場合は、本来の指示では「モルヒネ1日80mgと鎮痛剤を点滴投与する」というものだったが、鎮痛剤の投与が終わった際に担当看護師はモルヒネが切れたと勘違いし、鎮痛剤ではなくモルヒネを投与した。
病院側の発表では「モルヒネは致死量ではなく、医療ミスと死因との因果関係はない」としているが、モルヒネの投与量が2倍となっていたこともあり、再発防止策が講じられているようだ。
これらのケースはいずれも、担当した看護師の思い込みや、投与方法の確認ミスが原因と考えられる。特に夜勤帯で起こる医療ミスは、看護師の人数も少ない割に、患者の容態急変などでマンパワー不足となる実態があることは否めない。薬剤投与時に行うべきダブルチェックなどが、日勤帯と同様に行えているかは疑問が残る部分もあるのも事実だ。
しかし患者本人や家族、遺族の目から見れば「次の用事があって急いでいた」や「輸液回路を遮断したと勘違いしていた」という理由は、病態悪化の原因や死因として納得できるものではない。医療ミスが起こる背景には必ず原因がある。医療安全マニュアルの見直しや医療体制の強化が、より一層進むことを望んでやまない。
参考資料
QLifeProニュース 1型糖尿病などの自己免疫疾患のかかりやすさ、免疫タンパク質の不安定さが関係か?東大
http://www.qlifepro.com/news/20141216/relationship-in-autoimmune-disease-and-instability-of-the-immune-proteins.html
東京大学大学院 医学系研究科・医学部 プレスリリース
免疫タンパク質の不安定さが、自己免疫疾患のかかりやすさに関係〜定説とは異なる発症機序の可能性〜
http://www.m.u-tokyo.ac.jp/news/press.html#20141209
東京大学 免疫タンパク質の不安定さが、自己免疫疾患のかかりやすさに関係−定説とは異なる発症機序の可能性−
http://www.m.u-tokyo.ac.jp/news/admin/release_20141209.pdf
JCI The Journal of Clinical Investigation
Cell-surface MHC density profiling reveals instability of autoimmunity-associated HLA
http://www.jci.org/articles/view/74961
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