【医療ニュースPickUp 2015年10月14日】 「治療ノート」の疾患登録数が100件超え プレスリリースより
2015年10月13日、株式会社リブセンス(本社:東京都品川区、代表取締役社長:村上太一)は、一般向けの医療情報サイト「治療ノートβ版」に掲載する疾患数が、100件を突破したと公表した。
「治療ノート」のサイトでは、監修医師の協力の下、病名ごとに「病気に関する基本情報」「治療法」などを系統立ててまとめて掲載しているほか、実際に治療を受けた患者からの「体験談」が掲載されている。
特に、治療法の優位性や副作用、治療期間、費用などについては、「医師と患者双方による多面的・客観的な情報を確認できる」ことが特徴であるとしている。
監修医師数も増加中
「治療ノート」は、2015年8月にβ版としてスタート。これまでに、患者数の多さや治療期間の長さ、手術の必要の有無などを考慮しながら、掲載する疾患を選択し、必要な情報をまとめて掲載し、順次、掲載される疾患を増やしてきた。また、サービス開始以降、「治療ノート」の趣旨に賛同し、監修に協力する医師数も着実に増加しているという。
実際にいくつかの疾患情報について確認すると、例えば「狭心症」の場合、症状、疫学、原因や遺伝の影響、疾患の分類、検査、予後などがまとめられている。また、治療法としては、治療法選択のポイント、実際に使用される薬剤の他、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)、冠動脈バイパス手術(開胸手術)について、治療法の概要、適応、他の治療法に対する優位性、副作用とその対処法のほか、実際の費用の目安や、一般的な所要時間までが掲載されている。
さらに、これらの情報とは別に、医療用語の解説もリンクする形で掲載されており、一般の人でも読みやすく、理解しやすい内容となっている。
これらの情報の参照元は、「日本循環器学会ガイドライン」、「安定冠動脈疾患における待機的PCIのガイドライン 2011年改訂版」、「虚血性心疾患に対するバイパスグラフトと手術術式の選択ガイドライン 2011年改訂版」など、医療者向けの情報を元としていることが分かる。
気になる疾患に対し、自身のメールアドレスを登録しておくと、追加情報を受け取ることもできる。
「治療ノート」では引き続き、疾患や治療法、体験談などを含む掲載情報の増加や、サイト機能の改善・拡充を推進するとしている。
参考資料
PR TIMES 株式会社リブセンスのプレスリリース(2015年10月13日)
医療情報サイト「治療ノート」、掲載病気数100件を突破!
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000015443.html
治療ノート 狭心症(AP)の基礎情報
https://www.c-notes.jp/disease/angina
【医師紹介会社研究所’s Eye =記事への所感=】
率直に、面白いことを考えたな、と思いました。確かに、情報化社会の現代では、さまざまな疾患に関する情報が、インターネット上だけではなく、一般向け書籍などにも溢れています。どれが正しくて、どれが間違っているのか、一般の人には分かりにくいですよね。中には、アフィリエイト目的なのか、他のサイトからの明らかなコピーであったり、よく読むと「少し違うのでは?」と思われるサイトも、見かけることが多いかと思います。
そんな中、専門のガイドラインなどを参考に、一般の人でも分かりやすく、系統立てて情報がまとまっているこのサイトは、世の中の人たちに、受け入れられるのではないかと思います。
私も一応は看護師ですが、自分が経験してこなかった疾患、それに対する治療法などは、必要な時に調べることはあっても、常に理解しているかといわれると、そうではありません。人体の基本的なこと、術式ごとの比較や、薬剤の効果の比較などは、何となくは分かっている部分があっても、他人に語れるかといわれると、門外漢であることもしばしばです。
例えば「循環器病棟しか勤務したことが無いから、脳外科は分からない」とか、「消化器がん以外はちょっと…」という看護師たちにも、参考になるのかもしれません。今後、こういった情報を頭にいれた患者さんが受診してくると、もしかすると特定の疾患に対しては患者さんの方が詳しい、なんてこともあるかもしれません。
そう考えると、自分自身も、まだまだ勉強しなくては、と考えてしまいます…
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