【医療ニュースPickUp 2016年3月5日】環境省による花粉観測システム(はなこさん) 今シーズンの運用開始
2016年2月29日、環境省による花粉観測システム(愛称:はなこさん)が、今シーズンの運用を開始した。このシステムでは、日中の花粉飛散状況を、1時間ごとに更新しており、全国各地の花粉飛散状況が、ほぼリアルタイムで確認できる(北海道は3月中旬より情報提供を開始予定)。
「平成28年春のスギ花粉飛散ピーク時期予測
「はなこさん」のサイトでは、全国各地を北海道、東北、関東、中部、関西、中国・四国、九州の7地域に分け、それぞれの地域には、13から24の観測地点がある(北海道を除く)。
それぞれの観測地点では、花粉の飛散数(個/m3)のほか、アメダスのデータとして、風向、風速、気温、降水量なども確認でき、おおよそどれくらいの花粉が、どちらの方向に飛散しているのを、確認することができる。
試しに3月3日時点での、関東圏における飛散状況を確認すると、結果は以下の通り。
- もっとも飛散量が多い観測地点:千葉県山武市(千葉県森林研究センター)1日の飛散量 3827(個/㎥)、1時間平均飛散量 347.9(個/㎥)
- もっとも飛散量が少ない観測地点:栃木県日光市(日光特別地域気象観測所)1日の飛散量 60(個/㎥)、1時間平均飛散量 5.5(個/㎥)
- 1日のうちでもっとも飛散量が多い時間帯:18時台
- 1日のうちでもっとも飛散量が少ない時間帯:9時台
- 1日のうちでもっとも飛散量が多い観測地点と時間帯:埼玉県飯能市(飯能市役所)の18時台
1日の統計データをみると、観測を開始する午前9時台がもっとも花粉飛散量が少なく、正午前後で一度目のピークとなっていた。その後、午後になるといったん飛散量が少なくなるが、17時台で再び増加し、18時台に2回目のピークとなった。
「はなこさん」で公表されるデータは、全国各地に設定された観測地点に設置された、花粉自動測定器により計測し、自動送信されている。毎時35分頃、サイト上のデータが更新される仕組みとなっており、各地点での現況が把握できる。
黄砂や火山灰などが飛散している場合、あるいは降雪時には、現況とは異なるデータが表示される場合もあり、これらの情報と併せて確認する必要がある。
尚、これに先立って環境省より公表されている「平成28年春のスギ花粉飛散ピーク時期予測」は次のようになっている。
- 九州地方:2月下旬
- 関東及び中国地方:2月下旬~3月上旬
- 甲信地方:2月下旬~3月中旬
- 北陸及び近畿地方:3月上旬
- 東北及び東海地方:3月上旬~下旬
- 四国地方:3月中旬~下旬
このピークの前後10日から20日の間も、スギ花粉の飛散量がかなり多くなると予測されており、特にスギ花粉症の人は注意が必要となる。
参考資料
環境省花粉観測システム(愛称:はなこさん) 花粉飛散情報データのダウンロード
http://kafun.taiki.go.jp/DownLoad1.aspx
※2016年3月3日 9時~20時までのデータをダウンロード
環境省 平成28年春の花粉飛散予測(第2報)について
http://www.env.go.jp/press/101985.html
【医師紹介会社研究所’s Eye =記事への所感=】
スギ花粉アレルギー患者としては、とてもつらい時期に突入しました。今日(3月3日)はとても暖かく、いやな予感がしていましたが、やはり飛び始めていましたね。私の住む地域(東京23区内)は、まだそれほど飛散していないようですが、私の周りには、すでに「眼がかゆい」という人もいますので、自分自身、いつ症状が出てもおかしくないかなと思います。
そういえばここ数年、子どもの花粉症が増えているとか。某製薬会社が運営する花粉症情報サイトが行ったアンケート調査によると、子どもの3人に1人は花粉症。
通年性のアレルギー性鼻炎の子どもはおよそ8人に1人くらい、アトピー性皮膚炎10人に1人くらいという結果になったようですので、花粉症の子どもって、やはり増えているのでしょうか。
このサイトを見た人へのアンケートなので「そもそも花粉症や鼻炎で悩む子どもやその親に対しての調査」という背景がありますから、日本国民全体の状況とは違うと思いますが、花粉症患者数が全体的(全年齢)でも増加傾向にはありますので、子どもの患者もそれなりに増えているのだとは思います。
最近では、舌下免疫療法のポスターなどもあちこちで見かけるようになりました。今年はすでに遅い気もしますが、来年のシーズン前には、考えてみようかなと思います。
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