【医療ニュースPickUp 2015年10月16日】 慈恵医科大学付属病院に勤務する医師がセクハラで訴えられる
東京都港区の慈恵医科大学付属病院に勤務する医師が、42歳の元患者女性からセクハラ行為を受けたとして、880万円を求める損害賠償請求訴訟を起こされたことがわかりました。原告の女性が2015年10月9日に、司法記者クラブで記者会見を行っています。
逆らうと治療できなくなると言われた
訴状によると、元患者の女性は2008年頃から慈恵医科大学付属病院に通院を始めたが、2011年から主治医となった被告男性医師に身体を触られたり、食事に誘われた後に無理やり抱きつかれたりキスをされたりといった、セクハラ行為を受けたと主張しています。また、元患者の女性は「逆らうと治療ができなくなると(被告医師に)言われた」とも主張しているようです。
元患者の女性は、「都合3度程の食事を被告医師と共にしており、毎回同じようにセクハラ行為を受けた。主治医を変更したものの、不眠や鬱症状が出るようになり、社会的に生活が困難になった。医師の立場を悪用して、女性としての尊厳を傷つける行為だった」と記者会見で訴えました。
慈恵医科大学附属病院のコメント「訴状を見ていないのでコメントは出来ない。事実関係の確認はこれから行う」。
参考資料
Yahoo!ニュース(フジテレビ系FNN)
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20151009-00000258-fnn-soci
弁護士ドットコムニュース
https://www.bengo4.com/internet/n_3794/
【医師紹介会社研究所’s Eye =記事への所感=】
セクハラに関する訴訟は事実関係の証明が非常に難しく、今回のケースは「メールなどで食事に誘った」という証拠が残っていたから訴訟にもつれ込んだのではないでしょうか。
実際に、この慈恵医科大学付属病院の医師がセクハラ行為をしたかどうかは不明ですが、世の中の趨勢を鑑みて、非常に苦しい立場に追いやられてしまったことは間違いなさそうです。
被告医師本人としては、男女間の何気ない行為(のつもり)だったとしても、セクハラ行為として訴訟にまで発展、メディアで情報公開をされてしまう可能性があるという現実については、全ての医師が頭の片隅に常に置いておくべきかもしれません。
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